「テクノクイズ」は、テクノロジーと情報通信の分野に関する知識を問うクイズです。TCP/IP プロトコルの特性、データベースの設計原理、暗号技術の仕組み、アルゴリズムの計算量、半導体技術の変遷など、コンピューターサイエンスの基礎的な概念から最新のトピックまでを網羅しています。IT やプログラミングに関心のある人はもちろん、テクノロジーに興味のある方なら誰でも楽しめるはずです。この 10 問のクイズに挑戦して、あなたの理解度を確かめてみましょう。
Q1 : ムーアの法則(Moore's law)で元々観察された内容はどれに最も近いか 集積回路上のトランジスタ数が約2年ごとに倍増する 集積回路上のトランジスタ数が約5年ごとに倍増する 集積回路上のトランジスタ数が約10年ごとに倍増する 集積回路が毎年新世代に置き換わることを示す
ムーアの法則はゴードン・ムーアが1965年に発表した観察で、集積回路上のトランジスタ数が指数関数的に増加することを示しています。後年の解釈として「約18か月〜2年で倍増する」と広く引用され、製造技術と回路密度の進展を表す経験則として半導体産業のロードマップ策定に影響を与えました。近年は限界や変化も指摘されています。
Q2 : ハッシュ関数 SHA-256 が出力するハッシュ値のビット長はどれか 128ビット 256ビット 64ビット 512ビット
SHA-256 は Secure Hash Algorithm ファミリーの一つで、出力は 256 ビット(32 バイト)のダイジェストを生成します。長さ 256 ビットにより、衝突耐性や第二前像耐性において実用上高い安全性を提供します。SHA-256 はブロックチェーンや TLS、デジタル署名など様々な暗号応用で広く採用されていますが、用途により SHA-3 や長いハッシュを使う場合もあります。
Q3 : DNS のレコードタイプでメール交換サーバーを指定するものはどれか A レコード(IPv4 アドレス) CNAME レコード(別名) MX レコード(Mail Exchanger) TXT レコード(テキスト情報)
MX レコードは Mail Exchanger を指定し、ドメイン宛てのメールを受け取るメールサーバーのホスト名と優先度(プリファレンス)を設定します。メール配送の際は MX レコードで指定されたサーバーの優先度を参照して接続先を決定します。A レコードは名前→IPv4、CNAME は別名、TXT は任意のテキストを格納する用途で使われます。
Q4 : OAuth の主な目的は次のうちどれか 認可(あるサービスに別のサービスがアクセス権を得るための仕組み) 認証(ユーザーの身元確認を行う仕組み) 通信内容を暗号化するためのプロトコル 二要素認証を提供する仕組み
OAuth はリソース所有者が第三者アプリに対して自身のリソースへの限定的なアクセス権を付与するための認可フレームワークです。トークンを発行してアクセスを委任し、パスワードを共有せずに権限を渡す点が特徴です。認証を目的とする場合は OpenID Connect のようなプロトコルと組み合わせて使うことが一般的です。
Q5 : コンテナ技術(例:Docker)が採用している仮想化の方式として正しいものはどれか 完全仮想化でハイパーバイザ上にフル仮想マシンを起動する方式 OS レベルの仮想化で名前空間と cgroups を利用してプロセス分離を行う方式 仮想マシンのスナップショット専用の技術 コンパイラでバイナリを最適化して軽量化する方式
Docker を代表とするコンテナは OS レベルの仮想化を用いており、Linux の名前空間(namespaces)でプロセスやネットワークなどを分離し、cgroups(制御グループ)でリソース制限を行います。これによりホストカーネルを共有したまま軽量に隔離環境を提供でき、仮想マシンに比べて起動が速くリソース効率が高い点が特徴です。
Q6 : TCP と UDP の違いについて正しいものはどれか TCP はコネクションレスでヘッダが小さい UDP は信頼性を提供し、再送制御を行う TCP はコネクション指向で、データの順序保証と再送制御を行う UDP はコネクション指向で、接続を確立してから通信する
TCP(Transmission Control Protocol)は接続指向のプロトコルで、送信データの順序保証や損失時の再送、フロー制御や輻輳制御を行うことで信頼性を提供します。一方 UDP(User Datagram Protocol)はコネクションレスでオーバーヘッドが小さく再送や順序保証を行わないため、リアルタイム性が求められる音声・映像配信やDNSに適しています。TCP と UDP の用途や特性の違いを理解することはネットワーク設計で重要です。
Q7 : データベースの ACID 特性のうち、トランザクションが全て実行されるか全く実行されないかを示すのはどれか Atomicity(原子性) Consistency(一貫性) Isolation(独立性) Durability(永続性)
Atomicity(原子性)はトランザクションが「全て実行されるか全く実行されないか」の原則を示します。途中で失敗した場合は以前の状態にロールバックされ、部分的な適用は残りません。Consistency は整合性制約保持、Isolation は同時実行の干渉防止、Durability はコミット後の永続化を意味します。原子性は障害時のデータ不整合を防ぐ基本的概念です。
Q8 : RSA 公開鍵暗号の安全性は主にどの数学的困難性に依存しているか 離散対数問題(整数論的) 楕円曲線上の離散対数問題 ハッシュ関数の前像耐性 大きな整数の因数分解の困難性
RSA の安全性は大きな整数を素因数分解することの困難性に依存します。公開鍵は一般に二つの大きな素数の積 n=pq を含み、秘密鍵はこれらの素因数を知ることで導出されます。十分大きな素数を用いると素因数分解は計算困難とされており、これが RSA の根拠です。量子計算が実用化されると Shor のアルゴリズムにより脅かされる点も重要です。
Q9 : HTTP のステータスコード 404 が示す意味はどれか サーバーがリクエストを理解できなかった 要求したリソースが見つからない(Not Found) サーバ内部でエラーが発生した 要求が恒久的に移動した(リダイレクト)
HTTP ステータスコード 404 は「Not Found」を示し、クライアントが要求したリソースがサーバ上に存在しない場合に返されます。これはクライアント側の要求の問題(URI の誤りやリソース削除など)を示すもので、サーバ内部エラーは 500 番台、リダイレクトは 3xx 番台で表されます。404 はウェブ開発や API 設計でよく扱われる基本的な応答コードです。
Q10 : 平均計算量が O(n log n) とされるアルゴリズムはどれか 挿入ソート(Insertion Sort) 線形探索(Linear Search) 二分探索(Binary Search) クイックソート(Quicksort)の平均ケース
クイックソートは平均計算量が O(n log n) であり、分割統治法に基づきピボットで配列を分割して再帰的にソートします。しかし最悪ケースでは O(n^2) になり得るため、ランダム化やピボット選択方式で実用上の性能を安定させます。ヒープソートやマージソートも O(n log n) で、安定性や追加メモリの有無で使い分けられます。
まとめ
いかがでしたか? 今回はテクノクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はテクノクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。