TRPGセッションクイズ – プレイヤーとGMの初期合意を形成する大切なセッション0の意義や、ゲームのルール設計、ロールプレイとメタゲーミングの違い、失敗演出のテクニックなど、TRPGセッションを充実させるための基本的な考え方や手法について、10問のクイズを通じて解説します。TRPGを楽しく安全に進行させるために必要な知識が詰まった一読の価値ある記事となっています。
Q1 : 『Fail Forward(失敗しても物語を前へ進める)』という考え方の意図として最も適切なのはどれか
Fail Forwardは特にインディー系やストーリー重視のTRPGで用いられる考え方で、判定に失敗した場合でも単純に時間が無駄になるだけで終わらせず、物語的に面白い方向へ進めることを指します。例えば失敗により新たな困難や発覚が生じたり、代償を払って別の選択肢が生まれるなど、プレイヤーが能動的に状況に対処する動機を維持し、セッションの勢いを保つのが目的です。
Q2 : GMがプレイヤーキャラクター(PC)に関する「秘密の情報」を渡す一般的かつ望ましい方法はどれか
PCに関する秘密情報(例:裏切りの計画や個人の過去)は他のプレイヤーの前で露呈するとメタゲーや関係の断絶を招く恐れがあります。そのためGMは個別に耳打ちや封筒、チャットのDM機能など、プレイヤー間で共有されない形で伝えるのが一般的です。一斉公開は全員が知っている設定として扱う場合に限られ、常に最適とは限りません。GMが情報を秘匿しすぎるとプレイに支障が出るため、適切なバランスで管理します。
Q3 : セッションログやリプレイ(記録)を作る際に配慮すべき点として最も重要なのはどれか
セッションの記録やリプレイを作成・公開する場合、まず当該セッションに参加したプレイヤー全員から明確な同意を得ることが最も重要です。発言内容やキャラクターの個人情報、実生活に関わる話題が含まれることがあるため、公開範囲(全公開・限定公開・非公開)と利用目的を共有し、必要に応じて編集や匿名化を行います。記録形式は動画に限定されず、テキストや音声だけでも可能です。
Q4 : Dungeons & Dragons(D&D)で用いられる『Challenge Rating(CR)』の主な用途はどれか
D&DにおけるChallenge Rating(CR)は、モンスターや遭遇がどの程度のレベルのパーティーに対して標準的な脅威となるかを示す指標です。これに基づいてGMは複数のモンスターを組み合わせて遭遇の総合難度を見積もることができます。ただしCRはあくまで目安であり、パーティーの構成、戦術、リソース消費、地形などで難易度は大きく変化するため、柔軟な調整が必要です。
Q5 : Call of Cthulhu(CoC)シリーズやBasic Role-Playing系の技能判定で一般的に用いられる判定方法はどれか
CoCやBRP系の系統では技能や能力値がパーセンテージで表され、プレイヤーは2D10(あるいは1D100)で0~99の値を出し、その値が技能値以下なら成功という単純な判定が基本です。この方式は成功確率が直感的に分かりやすく、技能の微妙な上昇が直接成功率に反映されるという利点があります。修正や極端な成功・失敗の扱いもルールで定められることが多いです。
Q6 : セッションのテンポを維持するためのテクニック『フェード・トゥ・ブラック(fade to black)』の意味として正しいのはどれか
フェード・トゥ・ブラックは映像表現に由来する用語をTRPGに適用したもので、細かい行動や間を逐一処理する代わりに「場面を飛ばして」重要な結果だけを語ることでテンポを保つ手法です。例えば探索の長時間を短縮して「数時間の探索の末に発見した」とまとめたり、交渉の長いやり取りの結果だけを示すことで話の流れを止めずに進行できます。これはプレイヤーの能動性を奪わないよう適切に使うことが大切です。
Q7 : セッション0(セッションゼロ)の主な目的として最も適切なのはどれか
セッション0は単にキャラクターを作る時間ではなく、プレイヤーとGMがゲームの方向性をすり合わせるための場です。扱うテーマや望ましいプレイスタイル、各自の境界線(触れてほしくない題材やセーフワード)、ハウスルールの確認、プレイ時間や欠席時の取り扱いなどを事前に合意しておくことで、トラブルや不快感を減らし、継続的で安全なセッション運営を可能にします。ネタバレの共有は必要最小限に留めるのが普通です。
Q8 : ハウスルールを導入する際に最も望ましい対応はどれか
ハウスルールはゲームの公平性や楽しさを左右するため、導入前に全員の合意を得ることが基本です。事前に提示して議論し、利点や欠点を説明した上で決定することで不満や誤解を防げます。GMが一方的に当日決定するとプレイヤーの準備や期待が裏切られることがあり、逆に各自任せると整合性が損なわれます。途中変更する場合も必ず説明と同意を取り、必要なら試験的適用や後続修正の約束をするべきです。
Q9 : ロールプレイとメタゲーミング(メタ的行為)の違いとして正しいものはどれか
ロールプレイはプレイヤーが自分のキャラクターの性格や背景に基づいて判断・発言・行動することを指し、物語性や没入感を高めます。一方メタゲーミングはプレイヤーがゲーム外の情報(シナリオの意図や他PC・GMの発言など)をキャラクターの知識のように扱ってしまう行為で、ゲームバランスや没入を損なう恐れがあります。健全なセッション運営ではメタゲーを避け、ロールプレイを促す工夫が求められます。
Q10 : ダイスプール方式(例:World of Darkness系)の特徴として正しいのはどれか
ダイスプール方式はプレイヤーが能力値や技能に応じた数のダイス(通常はD6やD10など)を一度に振り、各ダイスが成功条件(例えばD6なら4以上)を満たす個数を数えて結果を判定する手法です。成功数が多いほど成果が大きくなる設計で、部分成功やクリティカルといった幅のある判定が行いやすいのが特徴です。選択肢にある「指定目以上がすべて失敗」は誤りで、通常は逆に高得点が成功です。