甲類焼酎とは、日本酒税法上の区分で連続式蒸留により製造された、風味の比較的ニュートラルな焼酎のことを指します。一方、乙類焼酎や本格焼酎は単式蒸留で製造され、原料の個性が強く出る特徴があります。これらの違いを理解しながら、様々な焼酎の特徴や魅力を探っていく”焼酎めぐり”クイズにご挑戦ください。10問にわたるこのクイズには、日本各地の伝統的な焼酎文化や製造技術、そして焼酎の多様性が盛り込まれています。焼酎の世界をお楽しみください。
Q1 : 日本国内で芋焼酎の生産量が最も多い都道府県はどこか?
鹿児島県は焼酎の生産が非常に盛んで、特に芋焼酎の生産量が国内で最も多い地域です。畑作や蒸留技術の蓄積、歴史的背景などから多くの蔵元が存在し、さつまいもを原料とする芋焼酎が地域文化の一部となっています。全国シェアや生産量の統計でも鹿児島が上位であることが知られています。
Q2 : 焼酎の伝統的な貯蔵容器として古くから用いられ、木由来の香味を与えることで知られるものはどれか?
杉樽は日本の伝統的な貯蔵容器で、焼酎を貯蔵することで木由来の香りや風味が移り、柔らかさや奥行きを与える効果があります。近年はオーク樽で熟成させる例も増えていますが、伝統的には杉樽や木桶が用いられてきました。材質や密閉性、貯蔵期間によって風味の変化は大きく異なります。
Q3 : 単式蒸留で行われる蒸留方式は英語で一般に何と呼ばれるか?
単式蒸留は英語でポットスチル(pot still)と呼ばれます。ポットスチル方式は一回ごとに蒸留を行い、原料由来の香味成分を多く残す特徴があり、ウイスキーや本格焼酎など個性ある風味を求める蒸留酒で用いられます。これに対してコラム式(連続式)は精製度が高くニュートラルな酒質になります。
Q4 : 焼酎をロックで飲む際に氷が溶けることで香りが立ちやすくなる理由として最も適切なのはどれか?
氷が溶けることでアルコール度数が低下し、液中の揮発性成分の揮発挙動が変わるため、香りが感じやすくなることが多いです。温度低下とアルコール濃度低下のバランスで香りの立ち方が変わり、氷が適度に溶けることで香味成分が拡散しやすくなり、味わいの印象も変化します。
Q5 : 焼酎の風味を表す用語で、味に深みやまろやかさ、余韻の厚みを指す言葉はどれか?
「コク」は味に深みやまろやかさ、後味の厚みや旨みの総合的な印象を指す用語で、焼酎の味わい評価でも重要な要素です。原料や麹、蒸留方法、熟成方法などが複合してコクに寄与します。「すっきり」は軽快さ、「酸味」「苦味」は個別の味覚要素であり、コクはそれらを含んだ総合的な味わいの重なりを表現します。
Q6 : 日本の酒税法上、連続式蒸留で作られ、風味が比較的ニュートラルでカクテルや割り材に使われることが多い焼酎はどれか?
甲類焼酎は連続式蒸留装置(コラム式)で蒸留され、アルコールが精製されやすく風味が淡泊になります。そのためクセが少なく混和や割り材向きで、法的には甲類と分類されます。一方、乙類(一般に本格焼酎と呼ばれることが多い)は単式蒸留で原料由来の香味が残りやすく、個性のある味わいが特徴です。用途や風味の違いが大きい点が甲乙分類の要点です。
Q7 : 鹿児島県で古くから芋焼酎に使われ、現在も代表的な品種であるさつまいもの名称はどれか?
コガネセンガンは鹿児島をはじめ九州で伝統的に芋焼酎の原料として多用されてきた品種で、焼酎にしたときに香りやコクが出やすいとされています。甘みや風味のバランスが良く、焼酎用として適性が高いため多くの蔵で採用されています。他の品種も近年使われますが、歴史的・実用的に代表的なのがコガネセンガンです。
Q8 : 麦焼酎の生産で特に知られ、代表的ブランド(例:いいちこ)を輩出している主要産地はどこか?
大分県は麦焼酎で知られる代表的な産地で、国内有数の麦焼酎銘柄を生み出してきました。気候や水質、原料となる麦の調達環境などが相まって麦焼酎の生産が盛んで、県内には多くの蔵元があります。いいちこなど大分発のブランドによってその名は広く知られ、麦焼酎のイメージと結び付きやすい地域です。
Q9 : 泡盛と本土の一般的な焼酎(本格焼酎)について、主な違いとして正しいものはどれか?
泡盛は沖縄固有の蒸留酒で、伝統的に黒麹を使って仕込む点が特徴です。黒麹はクエン酸を多く生成し、保存性や独特の酸味・風味に寄与します。製造地が沖縄であることや歴史的背景、熟成文化(甕貯蔵など)の違いもあり、本土の焼酎とは用いる麹や製法、地域性で区別されます。
Q10 : 焼酎の麹の種類のうち、クエン酸などの有機酸を多く生成し、酸味や保存性に寄与するため泡盛や一部の芋焼酎で用いられる麹はどれか?
黒麹はクエン酸を多く生成する性質があり、そのため酸味が出やすく微生物の繁殖を抑えやすいという特徴があります。沖縄の泡盛や鹿児島の一部焼酎で古くから使用されてきた麹で、味わいに骨格や独特の酸味をもたらし、保存性の面でも有利になります。白麹や黄麹とは生成する成分や風味傾向が異なります。
まとめ
いかがでしたか? 今回は焼酎めぐりクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は焼酎めぐりクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。