少林寺拳法は1947年に宗道臣によって創始された武道です。戦後の混乱期に人づくりを目的として生み出された少林寺拳法は、剛法・柔法・整法という3つの技術体系を有しています。創始年や本部所在地、国際組織など、少林寺拳法の歴史や仕組みを問う10問のクイズにトライしてみましょう。少林寺拳法の誕生から現在に至る特徴と魅力を探ります。
Q1 : 少林寺拳法の本部道院が置かれている町はどこか? 東京都千代田区 香川県多度津町 大阪府豊中市 京都府宇治市
少林寺拳法の総本山は香川県仲多度郡多度津町に所在し、ここに「少林寺拳法総本山宗道臣記念館」や本部道院が置かれている。創始者宗道臣が幼少期より縁のあった地で、地方からでも人材を育てるという理念の象徴でもある。東京や大阪など大都市に本部がないのは、あえて権威や中心地に依存しない組織運営を示しているためだ。受験・競技会・指導者講習など全国の中枢行事がすべてこの町で行われる点も重要な特徴である。
Q2 : 次のうち、少林寺拳法の基本理念として本山道場に掲げられている標語はどれか? 勝って兜の緒を締めよ 質実剛健 心技体一致 拳禅一如
『拳禅一如』は少林寺拳法を象徴する言葉で、拳=技と禅=心の修行が一体であることを示す。単に強さを求めるのではなく、精神性を高め社会に貢献する人材育成を目的とする理念だ。勝負の緊張を語る「勝って兜の緒を締めよ」や一般的武道標語の「質実剛健」、スポーツ界でよく用いられる「心技体一致」は少林寺拳法固有の公式標語ではない。標語を覚えると技術と精神が不可分である本法の教育的性格を理解できる。
Q3 : 回復・活性化を目的とした少林寺拳法の手当法を何というか? 整法(せいほう) 剛法(ごうほう) 坐禅 乱捕り
整法は経絡や急所への押圧、骨格矯正、呼吸調整などで相手や自分の身体機能を回復させる活法である。稽古で痛めた関節の緩和や日常の体調管理にも用いられ、医療行為ではないが伝統的な応急手技として体系化されている。剛法は打撃、乱捕りは自由組手、坐禅は精神統一法であり手当ての技術ではない。整法の習得は安全な武道修行を支えるだけでなく、仲間を思いやる「半ばは他人の幸福」を実践する要素にもなる。
Q4 : 公式競技の二人組演武(組演武)で定められた標準演武時間は? 1分00秒 1分30秒 1分45秒 2分00秒
少林寺拳法の演武競技は技術・韻律・礼法を協調して見せるもので、組演武の制限時間は1分25秒から1分35秒とされる。したがって基準値は1分30秒であり、その前後5秒の範囲が減点なしという扱いになる。短すぎても技の構成が不足し、長すぎても規定違反となる。時間管理は演武の完成度や試合での評価に直結するため、中級者はストップウォッチを使って反復練習することが重要だ。
Q5 : 次の中で、少林寺拳法の正式な修練内容に含まれないものはどれか? ミット打ち 鎮魂行 棒術(ボースタッフ) 組演武
少林寺拳法は基本的に徒手格闘で、武器術は正式カリキュラムに組み込まれていない。稽古補助としてミット打ちは行われ、精神統一や礼拝を目的とする鎮魂行も重要な宗教的行法である。組演武は技術発表や競技の中心種目だ。一方、棒術などの武器法は他流派と異なり制度上は存在せず、道場単位で独自に教えることも公認されていない。よって棒術が含まれない事実を知ることは、流派の特徴と修行範囲を理解する助けになる。
Q6 : 創始者・宗道臣の後を継ぎ、現在少林寺拳法の宗家(師家)を務める人物は誰か? 宗由香 宗昂馬 宗勇太 宗由貴
宗道臣の長女である宗由貴師家は、1990年に二代目として正式に承継し、公益財団法人少林寺拳法連盟およびWSKOの代表を兼任している。創始者の精神を受け継ぎつつ、国際化や女性指導者育成など現代的課題にも取り組むリーダーだ。宗由香や宗昂馬、宗勇太という人物は実在しても組織トップではなく、公式文書や本部サイトで確認できる現宗家は宗由貴のみである。後継者を問うことで組織体系への理解が深まる。
Q7 : 少林寺拳法の国際統括団体として1974年に設立された組織は? World Shorinji Kempo Organization International Kempo Federation Global Shaolin Kempo Union All World Budo Confederation
World Shorinji Kempo Organization(WSKO)は1974年に創設され、本部を香川県多度津町に置きながら世界各国の公認連盟を加盟させている。技術・資格制度の統一、指導者講習、世界大会開催を担い、加盟国は40か国以上に及ぶ。International Kempo Federation や Global Shaolin Kempo Union は実在せず、All World Budo Confederation は複数武道を束ねる仮称である。国際組織名を知ることは海外道場との交流や資料検索に必須だ。
Q8 : 少林寺拳法の三大技術体系の正しい組み合わせはどれか? 剛法・乱捕り・整法 剛法・柔法・整法 柔法・鎮魂行・坐禅 整法・棒術・居合
少林寺拳法では打撃系の剛法、投げ関節系の柔法、活法である整法という三つの技法群が相互に補完し合う形で組まれている。乱捕りは自由組手形式で技法体系名ではなく、鎮魂行や坐禅は精神修養法に分類される。棒術や居合など武器系は正式科目外である。三体系を理解すると攻防・制圧・救護の一連が学べる少林寺拳法の総合性が見えてくるほか、各科目ごとの稽古目的を整理する指針にもなる。
Q9 : 少林寺拳法が創始された年はいつか? 1947年 1936年 1955年 1963年
少林寺拳法は第二次世界大戦直後の混乱の中、宗道臣が人づくりを目的に香川県多度津町で1947年10月に創始した。創始者は旧満州で中国拳法を学び帰国後に体系化したため、戦前の1936年や一般に道場が増え始めた1955年ではなく、また東京五輪準備期の1963年でもない。創始年を問うことは歴史理解の基本であり、少林寺拳法の平和教育的側面が戦後日本と不可分である点を確認できる。
Q10 : 少林寺拳法で投げや関節技など「柔法」に相当する技法区分はどれか? 剛法 柔法 整法 気合
少林寺拳法の技術は大きく剛法・柔法・整法の三系統に分かれる。剛法は突き蹴りなど打撃主体、柔法は相手の力を利用した投げ・固め・関節技が中心、整法は活法や経絡圧迫による体調調整を指す。したがって関節を極めたり崩して制する柔らかい戦い方を問う本問の正解は柔法となる。気合は呼吸や精神統一を示す語で正式な技法区分名ではない。区分を覚えることは技の選択と安全な稽古に直結する知識だ。
まとめ
いかがでしたか? 今回は少林寺拳法クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は少林寺拳法クイズを出題しました。
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次回のクイズもお楽しみに。