川柳は短さの中に鋭いユーモアや生活の知恵を詰め込む名短詩形です。五七五音のリズムに乗って、現代社会の諸相をユーモラスに風刺したり、人情味のある一句を詠むのが川柳の醍醐味です。本記事では、その魅力的な川柳をテーマにしたクイズを10問ご紹介します。川柳の歴史や形式、特徴について理解を深めていただけると幸いです。
Q1 : 川柳で十七音にこだわらず音数を増減させて表現する技法を総称して何と呼ぶか
川柳では五七五を守るのが原則ですが、内容を充実させるため一音二音増減させることがあり、これを字余り・字足らずと総称します。サラリーマン川柳などでもしばしば採用され、リズムの変化で落ちを際立たせる効果があります。掛詞は和歌の言葉遊び、途中切れや声調換という語は一般的な専門用語ではなく、川柳の音数調整を示す語として定着しているのは字余り字足らずです。
Q2 : 川柳が最も大衆文化として花開いた江戸後期の文化区分は次のうちどれか
江戸後期の化政文化期(文化・文政年間、1804〜1830頃)は都市の町人が経済力と教養を備え大衆文芸を花開かせた時代です。川柳はこの頃に投句と出版の仕組みが整い、風俗を映すメディアとして庶民生活に浸透しました。平安や鎌倉、室町文化は和歌や連歌、狂言などが中心で川柳誕生以前の時代にあたります。従って川柳隆盛と結び付くのは化政文化です。
Q3 : 川柳で五七五の合計十七を数える際に基準となる単位はどれか
川柳や俳句ではひらがな一文字を一音として数える音が音数律の単位です。見た目の文字数ではなく発声の長さで測るため、拗音や促音も一音と扱います。例えば「きょう」は三文字ですが二音です。語や句で数えるとリズムがずれ、原稿用紙の文字数で判断すると字余り字足らずの判定を誤る恐れがあります。そのため作句指導では必ず音読し音で確認します。
Q4 : 川柳専門誌『川柳マガジン』を発行している出版社はどれか
『川柳マガジン』は兵庫県に本拠を置く新葉館出版が1996年から発行する月刊誌で、全国の投稿作品と評論を掲載する専門誌として知られています。各地の大会情報や初心者向け添削欄も充実し、現在は電子版も提供されています。角川書店や岩波書店、筑摩書房は文学書や総合雑誌を刊行していますが、川柳専門の定期刊行物は扱っていません。川柳界の最新動向を知る定番誌です。
Q5 : 川柳という呼称の由来となった江戸時代の選者は誰か
川柳の名は選者の柄井川柳にちなみます。彼は十八世紀中頃、投句を選び評点を付ける前句付の選者として評判を呼びました。のちに彼の選んだ句が『誹風柳多留』として出版され、作品群が川柳と呼ばれるようになります。松尾芭蕉や与謝蕪村は俳諧の巨匠、正岡子規は近代俳句の革新者であり、川柳という名称の由来ではありません。
Q6 : 川柳と俳句の相違点として正しいものはどれか
俳句は季節感の表現を重視し季語が必須ですが、川柳は人情や世相を風刺するため季語を入れる義務がありません。いずれも十七音の定型が基本で、川柳には切れ字の使用義務や自然題材の拘束も設けられていません。従って季語不要という点が両者の最もはっきりした相違点であり、教本や講座でもまずこの特徴が説明されます。
Q7 : 第一生命保険が主催する「サラリーマン川柳コンクール」の第1回開催年はどれか
第一生命保険が社員や一般から募集するサラリーマン川柳コンクールはバブル前夜の1987年にスタートしました。以降毎年応募総数は数万句に達し、会社員の日常をユーモラスに映す社会風刺コンテストとして定着しています。1977年や1982年にも川柳イベントはありましたが、同社主催のこの企画としては1987年が第1回であり、新聞やテレビで入選句が報道されるようになりました。
Q8 : 川柳で三句目にユーモアや意外性を与える締めくくりを特に何と呼ぶか
川柳では三句目で意外な展開を示して読者を笑わせる構造が重視され、この締めくくりを伝統的に落ちと呼びます。落語のサゲに相当し、風刺や皮肉を際立たせる要となります。序破急は能楽や音楽の構成概念、句跨りは俳句の句切れの一種、掛詞は和歌の技巧なので川柳の落ちには当たりません。落ちをどう効かせるかが選者の評価を大きく左右します。
Q9 : 江戸時代に刊行され、川柳の人気を高めた代表的選句集はどれか
誹風柳多留は1757年から江戸で刊行された川柳の選句集で、柄井川柳が点付けした投句を中心に編まれました。全167編にも及ぶ大部で、庶民の風俗や職業をユーモラスに詠んだ作品が人気を呼び、川柳を独立した文芸として確立する原動力となりました。壬生浪士記は新選組史料、万葉集は歌集、奥の細道は芭蕉の紀行文であり、川柳選句集とは異なります。
Q10 : 川柳の基本となる音数律はどれか
川柳は俳句と同じ三句十七音を基本とし、その並びは五音・七音・五音が原則です。七五七や七七五などは歌謡や短歌のリズムとしては存在しますが、川柳の公募要項や句会の審査では五七五でない作品は通常減点対象となります。五七五という規格があることで短い中にも起承転結が生まれ、読者がテンポ良くユーモアを受け取れる点が川柳の魅力とされています。
まとめ
いかがでしたか? 今回は川柳クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は川柳クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。