ウルトラマラソンは、フルマラソンの42.195kmを超える長距離レースを総称する。国際的なコンセンサスでは、42.195kmを1m以上超えれば「ウルトラ」と定義される。世界最古の100マイルトレイルレースや、南アフリカの国民的大会、日本発祥の高速コースなど、各地で歴史と伝統を持つ大会が開催されている。大量の発汗に備えた電解質補給、過酷な環境を乗り越える装備、記録更新を目指すトップランナーなど、ウルトラマラソンには様々な魅力が詰まっている。次に、そのような”ウルトラマラソンクイズ”を10問お楽しみください。
Q1 : 南アフリカで開催され、約90kmを走る世界最大規模のウルトラマラソン大会はどれ? ウェスタン・ステイツ100 ツー・オーシャンズマラソン コムラッズマラソン ベルリンウォールウルトラ
コムラッズマラソンは1921年に第一次世界大戦の戦没者追悼を目的に始まり、ダーバンとピーターマリッツバーグ間を毎年交互に“アップ”“ダウン”として走る約90kmのロードレース。参加者は2万人規模とウルトラでは群を抜き、制限時間は12時間。一定タイムごとに授与される色分けメダルや国営放送が丸1日中継する国民的行事として知られ、完走者の総計は50万人を超えると言われる。
Q2 : 日本で開催される『サロマ湖100kmウルトラマラソン』のスタート地点がある自治体はどこ? 北見市 網走市 釧路市 湧別町
サロマ湖100kmウルトラマラソンは1986年に始まり、オホーツク海に面したサロマ湖畔を舞台にした高速コースとして世界記録が幾度も誕生してきた大会である。スタートはオホーツク管内湧別町の芭露地区から湖東岸を北上し、北見市常呂町がフィニッシュ。湧別町の住民総出の応援や充実したエイドが魅力で、道幅の広い国道と湖畔サイクリングロードが続く雄大な景観も人気を支える。初夏でも寒暖差が大きく、ペース配分と補給計画が記録達成の鍵となる。
Q3 : ギリシャのアテネからスパルタまで約246kmを制限時間36時間以内で走破するウルトラマラソンは何と呼ばれる? スパルタスロン バッドウォーター135 グレートウェールズウルトラ モンゴルゴビマーチ
スパルタスロンは1982年、古代ギリシアの伝令フィディッピデスが同区間を走ったという歴史を検証するために英国軍人が試走したことを契機に創設された。アテネのアクロポリスを未明にスタートし、コリントス運河やペロポネソス半島の山岳を越えてスパルタのレオニダス像前に至る。途中には標高1200mのサングラス山越えや、気温差30度を超える日中と夜間の環境変化が待ち受ける。完走率は年によって50%を下回ることもあり、世界屈指の過酷レースとして知られる。
Q4 : 2019年にポー・カペルが男子優勝を果たした、アルプス三国を巡る約171kmのウルトラトレイルレースはどれ? ラ・グランレイド・レユニオン ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB) トル・デ・ジアン トランスグランカナリア125
UTMBはフランス・シャモニーを起点にフランス、イタリア、スイスをまたいでモンブランを一周する累積標高1万m超のトレイルレース。夏季でも高山地帯は氷点下に達することがあり、義務装備として防寒着やヘッドランプが課される。2019年大会ではスペインのポー・カペルが20時間19分で初優勝し、周回コースをハイペースで押し切るレース戦略が注目された。UTMBはITRAポイントと抽選を経て出場権を得るシステムで、「トレイル界のエベレスト」と称される。
Q5 : ウルトラマラソンで大量発汗が続くと低ナトリウム血症を招くことがある。エイドで提供されるスポーツドリンクに最も多く含まれ、特に補給が推奨される電解質は何か? カルシウム カリウム ナトリウム マグネシウム
長時間運動では1時間当たり約700〜1200mLの汗をかき、その中には1L当たり1〜2gのナトリウムが失われる。水だけを補給すると血中ナトリウム濃度が希釈され、頭痛、吐き気、けいれんなど低ナトリウム血症を引き起こす恐れがある。スポーツドリンクは体液に近い浸透圧でナトリウムを補うため吸収効率が高い。さらにナトリウムはブドウ糖の共輸送を促進してエネルギー補給も助けるため、ウルトラでは水分と同じくらい意識的摂取が重要とされる。
Q6 : 2022年に6時間05分35秒の男子100kmロード世界新記録を樹立したリトアニアのウルトラランナーは誰? 風見尚 ジム・ウォルムズレイ ザック・ビッター アレクサンダー・ソロキン
アレクサンダー・ソロキンは24時間走など複数の世界記録を持つランナーで、2022年8月のベルギー・レーズランデン100kで6時間05分35秒をマークし、従来の6時間09分14秒(風見尚)を大幅に更新した。平均ペースは3分39秒/km程度で、マラソン換算では2時間35分を複数回走る計算になる。IAU公認コースでの記録のため正式世界記録として承認され、100kmの“6時間切り”が視界に入る歴史的快挙として世界のウルトラ界に衝撃を与えた。
Q7 : ウルトラマラソンの大会要項でよく見かける『関門閉鎖』(カットオフ)とは何を指す言葉か? 補給所での食事停止時間 指定された地点に到達しなければならない制限時間 スタート時刻変更のお知らせ レース中に行われる装備チェック
カットオフは安全管理と大会運営の都合で設定された区間ごとの制限時間を指す。設定時刻までに関門を通過できない選手は競技を継続できず、スタッフ車などで収容される。スタッフ配置や道路使用許可、気象リスクといった理由で設けられ、ウルトラでは距離が長いため複数の関門が連続する。選手はペース表を作成し、補給やトイレの時間を含めて関門をクリアする計画が完走の鍵となる。
Q8 : ナイトセクションを含むウルトラトレイルレースで最も優先度が高い義務装備とされ、走行方向を照らす目的で使用されるものは何? リカバリーサンダル トレッキングポール ヘッドランプ コンプレッションタイツ
夜間の山岳トレイルではライトが無ければ足元や経路を視認できず、転倒や道迷いに直結する。ヘッドランプは両手が自由に使えるためポール操作や転倒時の受け身がしやすく、安全面で最重要。多くの大会規則では200〜500ルーメン以上の明るさと防水性能、予備電池や予備ライトの携行が義務とされる。LED技術の進歩で軽量長寿命化が進み、選手は夜通し11〜15時間以上照射できるモデルを選択するのが一般的である。
Q9 : ウルトラマラソンの定義として国際的に一般的なのは、フルマラソンの距離を超えるレースだが、何km以上を指す? 42.195km 50km 100km 42km
ウルトラマラソンはIAU(International Association of Ultrarunners)が42.195kmを超えるあらゆる距離のロードまたはトレイルレースを包括的に定義している。最短距離の代表例として50kmや50マイルなどが知られるが、閾値そのものはフルマラソンと同じ42.195kmであり、それを1mでも越えればウルトラ扱いになる。多くの大会エントリー要項にも同じ記載があり、このラインが世界共通のコンセンサスとなっている。
Q10 : 世界で最も古い100マイルのトレイルウルトラマラソンとされる大会はどれ? スパルタスロン ウェスタン・ステイツ100マイル耐久レース コムラッズマラソン ウルトラトレイル・デュ・モンブラン
ウェスタン・ステイツ100は1974年に馬とランナーが同じコースを進むイベントから発展し、1977年に人間のみのレースとして独立した。カリフォルニア州のシエラネバダ山脈を横断する約161kmの山岳コースで累積標高は5000m超、真夏の高温や乾燥も選手を苦しめる。現在のウルトラトレイル文化の礎を築いた大会とされ、完走タイム24時間の記念ベルト「シルバーバックル」は世界中のランナーの憧れとなっている。
まとめ
いかがでしたか? 今回はウルトラマラソンクイズをお送りしました。
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今回はウルトラマラソンクイズを出題しました。
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