オリエンテーリングは、コンパスと地図を頼りに、制限時間内に設定された各コントロールを正確かつ効率的に回る競技です。IOF(International Orienteering Federation)が主催する世界選手権や、日本では学生のインカレなど、多くの大会が行われています。本クイズでは、オリエンテーリングの国際団体、地図、機材、用語、競技種目など、競技の基礎知識を問います。オリエンテーリングを愛好する方はもちろん、初心者の方も楽しめるはずです。答えを見つけながら、オリエンテーリングの魅力を感じ取ってください。
Q1 : オリエンテーリング地図の記号で黒色が主に示す対象はどれか?
IOF地図仕様(ISOM 2017)では、色を機能ごとに分類しており、黒は人が作った人工物(建物、道、橋、塀など)と、岩・崖・落石帯などの非常に固い地形要素を表すために用いられる。地形そのものの高さを示す等高線は茶色、植生は緑、湿地や水域は青と定められている。黒色を使うことで、堅固で通過の可否判断に直結する構造物や岩場を一目で認識でき、ナビゲーションの安全性が高まるためである。
Q2 : エリートクラスのミドルディスタンスで、IOFが推奨する優勝者の所要時間は?
IOF競技規則は各距離ごとにコース設定者が目標とすべき優勝タイムを示している。ミドルディスタンス(フォレスト競技)の目標は技術的に難度の高いナビゲーションを維持しつつハイスピードで走る設定とされ、エリート男子で30〜35分、女子で30分前後が基準である。スプリントは12〜15分、ロングは90〜100分が目安となっており、45分を超える設定はミドルとしては長過ぎる。よって30〜35分が正しい。
Q3 : オリエンテーリング用語で『アタックポイント』とは何のことか?
アタックポイントとは、ナビゲーションの精度を上げるために選手がコントロールのすぐ近くまで来た段階で設定する最終的な目印を指す。大きく判別しやすい道の分岐や岩、湿地の端などを選び、そこから数十メートルの細かい方位と距離で「アタック」することで、ミスを最小化できる。スタート直後の特徴物や最後のコントロールを指す用語ではなく、また誘導員は競技ルール上存在しない。レースプランニングの基本概念として世界共通で用いられる。
Q4 : リレー競技で次走者へ手渡しを行う指定エリアは何と呼ばれるか?
リレー形式では第1走者がゴールに戻ったのち、所定のエリアで第2走者と身体的または視覚的に接触して引き継ぐ。IOFルールではこの場所をChange-over Zone(チェンジオーバーゾーン)と呼び、立ち入り者と時間が厳密に管理される。スタートレーンは競技開始前に整列する導線、フィニッシュコリドーはゴール前最後の直線コース、バトンゾーンは陸上競技の用語でオリエンテーリングでは用いない。したがって正解はチェンジオーバーゾーンである。
Q5 : 親指コンパス(サムコンパス)がベースプレート型よりも優れている主な点は?
親指コンパスは地図を持つ親指に直接装着する構造で、常に地図とコンパスが一体化した状態で視界に入る。このため走りながら地図の方向合わせと進行方向確認を同時に行え、微小なコース修正を素早く行えることが最大の利点である。持ち運びが不要になるわけではなく、夜光塗料の有無はモデルによる差、測量精度もベースプレートの定規機能がない分むしろ下がる場合がある。したがって選択肢2が正しい。
Q6 : 日本の学生オリエンテーリング界で、毎年開催される全国規模の大会は一般に何と呼ばれているか?
日本オリエンテーリング協会の学生委員会が主管する『全日本学生オリエンテーリング選手権大会』は、国内の大学サークル・部活動が一堂に会して争う最高峰大会で、通称『インカレ』と呼ばれる。ロング、ミドル、リレーの3種目が別日程で行われ、上位入賞は学生選手の大きな目標となる。インターハイは高校生、国体は都道府県代表、全中は中学生の大会で、いずれも大学生の全国大会ではないため誤りである。
Q7 : オリエンテーリングの国際統括団体「IOF」の正式な英語名称はどれか?
IOFは1961年にデンマーク、ノルウェー、スウェーデン、スイスの4か国が中心となって設立されたオリエンテーリングの国際統括団体で、現在は世界70か国以上の競技団体が加盟している。正式名称はInternational Orienteering Federationであり、この名称はルールの制定、世界選手権の開催、競技普及などすべての国際的業務で用いられる。選択肢2にあるOrganization of Foot-Oや選択肢4のForumは実在せず、選択肢3のOutdoor Federationは別団体なので誤りである。
Q8 : スプリントオリエンテーリングで最も一般的に用いられる地図縮尺はどれか?
スプリント競技は都市部や公園内の密なオブジェクトを高いスピードで処理する特性から、細かな記号を大きく示す必要がある。そのためIOFの地図仕様ISSprOM 2019では縮尺1:4 000(場合によっては1:5 000)が標準と明記されている。1:10 000や1:15 000はロングやフォレストで使用される一般的な縮尺であり、1:7 500は中間規模の特別地図で採用されることがあるがスプリント用としては推奨されない。したがって1:4 000が正解となる。
Q9 : 国際規格で定められたオリエンテーリングのコントロールフラッグの色の組み合わせは?
フラッグは競技者が森林内で容易に視認できる必要がある一方で、必要以上に目立ちすぎて景観を損ねないバランスが求められる。IOF競技規則では白とオレンジ(蛍光オレンジに近い赤橙色)の二色を45度斜めに配した立方体が規定形状となっている。赤単色では遠距離で識別しにくく、黄や青を混ぜた配色は規格外で、公式大会では使用できない。したがって正しい組み合わせはオレンジと白である。
Q10 : EMITやSportIdent(SI)が提供する機能は次のうちどれか?
電子パンチシステムは従来の紙カードに穴を開ける方式に代わり、選手がコントロールに到着した時刻を電子的に記録する装置である。EMITはノルウェー、SIはドイツで開発され、いずれも選手側デバイスとコントロール側ステーションが無接触または半接触で通信する。これにより通過順序と通過時刻を同時に取得でき、集計の迅速化と正確性が大幅に向上した。位置測定やGPS追跡は別システム、電子コンパスはコンパスメーカーの機能であり、これら機器の主用途ではない。
まとめ
いかがでしたか? 今回はオリエンテーリングクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はオリエンテーリングクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。