高度な技術と命綱なき勇気が必要とされるBASEジャンプ競技。垂直絶壁から数百メートルもの高さから飛び降りる選手たちは、正確な着地と瞬時の判断力を競う。その究極の姿勢と滑空テクニックを、ワールドBASEレースやプロBASEワールドカップなどの国際大会で披露する。本記事では、この過激なスポーツの魅力を知るための10の基礎クイズに挑戦しよう。建物やブリッジ、山岳地帯などの特殊な舞台設定から、競技の仕組みや記録、安全対策まで、BASEジャンプの世界をたっぷりご堪能いただける。
Q1 : 毎年10月に米国ウェストバージニア州で行われる「ブリッジデイBASEジャンプ」で選手が飛び出すニューリバーゴージ橋の高さはおおよそ何メートルか? 約267メートル 約150メートル 約400メートル 約130メートル
ブリッジデイはニューリバーゴージ橋の路面から川面までの垂直落差約267m(876フィート)を利用した世界最大規模の公認イベントで、1980年から続く。選手は車線を閉鎖したアーチ中央部のプラットフォームから飛び出し、およそ3〜4秒のフリーフォール後にパラシュートを開く。267mという高さは十分な安全余裕を確保しつつ観客からも見やすい絶妙な数値で、150mだと開傘が忙しく、400mを超える構造物は米国内に少ない。130mは橋脚基部の高さでジャンプポイントではない。
Q2 : ブリッジデイの開催にあたり、イベント許可と安全監督を行う米国の連邦機関はどこか? 連邦航空局(FAA) 国立公園局(NPS) 運輸省(DOT) 沿岸警備隊(USCG)
ニューリバーゴージ橋はニューリバーゴージ国立公園内に位置するため、ブリッジデイの主たる許可権限は米内務省の一部局である国立公園局(NPS)が持つ。NPSは橋と周辺トレイルを一時閉鎖し、参加者リストを精査、安全ブリーフィングの実施を義務付け、川面のボートレスキュー体制まで統括する。FAAは上空飛行制限を告示するのみでイベント開催許諾者ではなく、DOTやUSCGは道路交通や水路警備を補助するにとどまる。従って正式な大会開催にはNPSの承認が不可欠となる。
Q3 : ProBASEワールドカップの得点方式で最も重視される主競技は次のうちどれか? ランディングターゲットの中心到達精度 キャノピーの開傘高度の正確さ 自由落下区間に要したタイム 着地姿勢の芸術点
ProBASEワールドカップは「どれだけ速く地上に到達するか」をコンセプトにしたレース形式で、岩壁からキャノピー展開までのフリーフォールタイムが主要スコアとして採用される。選手は最速で滑空するためにウイングスーツのサイズや体姿勢を最適化し、自由落下時間が短いほど高得点となる。着地精度や開傘高度の違反はペナルティ扱いで配点は少なく、芸術点は存在しない。つまりタイム計測が順位を大きく左右する決定的要素となっている。
Q4 : イタリア北部で毎年開催される、安全講習と大会を兼ねたBASEイベントの主会場となっている山はどれか? モンテ・ローザ チマ・グランデ(ドロミテ) モンテ・バルド モンテ・ブレント
モンテ・ブレント(標高1545m)はトレンティーノ=アルト・アディジェ州サルカ渓谷にそびえる岩山で、約1200mの垂直壁を持つ名所として世界中のジャンパーに人気がある。毎年春と秋に開催される国際BASEキャンプでは事故ゼロを掲げ、器材点検方法、気象判断、レスキューロープワークなどの講習と記録会が行われる。ローザは高山登山の頂で着地帯が限られ、バルドやドロミテの峰もスポット的なジャンプは行われるが、定期的な大規模競技会としてはモンテ・ブレントが最も確立している。
Q5 : BASEジャンプの頭文字「B」はどのような構造物からのジャンプを指すか? ビル(建物) バルーン(気球) ブリッジ(橋) ブリザード(雪崩斜面)
BはBuildingの頭文字で、市街地や山間部にある高層ビル、テレビ塔、工場の煙突など壁と屋根を備えた人工構造物全般を指す。競技会ではヘリポート付きのホテル屋上や閉鎖中の超高層ビルがしばしば会場になり、限られた助走距離やビル風に対処するテクニック、そして正確な着地点へのアプローチが成績を左右する。他の選択肢であるバルーンはAntennaでもSpanでもEarthでもなく、橋はS、雪斜面はBASEカテゴリー外である。
Q6 : 毎年夏に開催される「ワールドBASEレース」のメイン会場として知られるトロル壁やロムスダール峡谷が位置する国はどこか? スイス ノルウェー アメリカ合衆国 イタリア
ワールドBASEレースは2008年に始まったスピード競技で、ノルウェー西部ロムスダール峡谷にそそり立つ垂直絶壁トロル壁をスタート地点とすることで有名だ。選手は約1200mの落差をウイングスーツで滑空し、谷底のフィニッシュゲートまでの時間を競う。運営は地元チームが行い、フィヨルド特有の強風や雲底など気象条件が難しい。スイスにも高所ポイントはあるが主催地ではなく、米国やイタリアも別の大会が中心である。
Q7 : ワールドBASEレースなどのタイムトライアル競技でスタートとゴールを正確に計測するために使われる装置はどれか? 手動ストップウォッチ 高速度ビデオカメラ 光電センサーゲート 砂時計
スピードを競うBASE競技では千分の一秒単位の計時が成績に直結するため、コース上に設置した光電センサーゲート(フォトセル)が用いられる。スタート側では岩壁に固定されたバーを選手が通過した瞬間にビームが遮断されタイマーが作動し、約800〜1000m下のゴールゲートを通過した時点で計測が停止する。光速度による検知は人為的誤差がなく、高速滑空するウイングスーツを確実に捉えられる。手動計時やビデオ解析は予備として使われるが公式記録には採用されない。砂時計はもちろん競技用ではない。
Q8 : 2001年から国際大会が行われているマレーシアのランドマークで、選手が約300mの高さからジャンプする建造物はどれか? KLタワー(メナラ・クアラルンプール) ペトロナスツインタワー ジョージタウン・コムタ サバ州立行政ビル
クアラルンプール中心部に立つ通信塔KLタワーは高さ421m、展望台床面約300mからのジャンプが可能で、毎年実施されるKL Tower International BASE Jumpとして世界中の選手が集まる。円形の展望フロアからは360度離脱できるため風向きに合わせた出口を選択可能だが、着地点は都心の限られた公園で精密な操縦が必要。ツインタワーは管理上許可されず、コムタやサバ州庁舎でもイベントは行われるが規模と歴史はKLタワーが突出している。
Q9 : 多くの建造物系BASE競技では安全基準としてキャノピーの開傘を最低何メートル以上で行うよう規定しているか? 30メートル 70メートル 150メートル 300メートル
ビルやアンテナから飛ぶ場合、地面衝突までの猶予時間が短いため主催者は最低開傘高度を設定する。代表的なProBASE World CupやKL Tower大会では高度計を装備し、開傘が最低70m(約230フィート)より低い場合は減点や失格が科される。70mは現行BASE用キャノピーが安全展開できる実証下限とされ、30mでは完全開傘までに時間が足りない一方、150m以上にすると競技性が下がる。300mは全高であって開傘高さではない。
Q10 : 2013年にエベレスト北側のチャンツェ付近から飛び、世界最高高度の公式BASEジャンプ記録を更新したロシア人ジャンパーは誰か? フェリックス・バウムガルトナー カール・ボーニッシュ ジェブ・コーリス ヴァレリー・ロゾフ
ロシアの冒険家ヴァレリー・ロゾフは2013年5月、エベレスト北斜面の標高7220m地点から特製ウイングスーツで滑空し世界最高地点からのBASEジャンプとして公認された。酸素濃度が低くパラシュート素材が凍結しやすい環境でのジャンプは大きな挑戦で、酸素システムと低温用ハーネスを装備して臨んだ。約1分のフライト後5900m付近で開傘し無事着陸。バウムガルトナーの成層圏ジャンプはカプセルを使用したパラシュート降下でBASE定義外、ボーニッシュやコーリスもこの記録には挑戦していない。
まとめ
いかがでしたか? 今回はベースジャンプ競技クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はベースジャンプ競技クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。