ドローンレースクイズ – 世界最高速の翼を持つレーサーたち
ドローンレースは、電動マルチコプターを用いた最先端の空中競技です。プロリーグ「DRL」を始め、世界各地で高速で熱狂的な試合が行われています。その魅力的なスポーツをより深く理解していただくため、本記事では、ドローンレースに関する10問のクイズをお届けします。機体の性能やルール、歴史など、ドローンレースの基礎知識から最新動向まで、クイズを通じて探っていきましょう。ドローンの翼を駆り、驚異の速度を生み出す、そんなレーサー達の世界をお楽しみください。
Q1 : FPVゴーグルに装着され、全方向からの電波受信に優れることからレースで標準的に使われるアンテナ形状はどれか? クローバーリーフアンテナ 八木アンテナ ダイポールアンテナ パッチアンテナ
クローバーリーフは3〜4本の湾曲エレメントを四つ葉状に配置し円偏波を生成する設計で、機体から発信される右旋円偏波と整合させることでマルチパス反射による映像途切れを最小化できる。八木やパッチは指向性が強くスタジアムレースでは補助として使われるが単体では死角が生じやすい。ダイポールは軽量だがゲインが低く、競技では受信側より送信側で使われることが多い。
Q2 : レースドローンのPIDチューニングにおいて、振動を抑制する効果がある一方、値を上げ過ぎるとノイズ増幅でモーター過熱を招く成分はどれか? P(比例) D(微分) I(積分) F(フィードフォワード)
D値は角速度の変化率に応じて補正を掛けるため、過度の振動やオーバーシュートを抑えるブレーキ的役割を果たす。しかし数値を過大に設定すると、ジャイロセンサーが拾う高周波ノイズがそのままコントロール信号に反映され、モーターが細かく激しく駆動して過熱・電流過多を起こすリスクが高まる。Betaflight公式WikiやトップパイロットのガイドでもD値調整は慎重に行うよう明記されている。
Q3 : フライトコントローラー用ファームウェア『KISS』の開発元として知られるメーカーはどこか? Hobbywing BetaFPV Flyduino Holybro
KISS(Keep It Super Simple)はドイツ企業Flyduinoが開発するファームウェアおよび対応ハードウェアの名称で、シンプルな設定画面と滑らかなフィーリングから多くのトップレーサーに支持されている。公式サイトや製品パッケージにFlyduinoのロゴが掲示されており、ESCやFCの基板にもブランド名が刻印される。Betaflight互換ではない独自路線ながら、最小限のパラメータで優れた操縦性を得られる点が特徴だ。
Q4 : 映像送信機(VTX)の設定をフライトコントローラーから変更できるプロトコル『SmartAudio』を開発したメーカーはどこか? ImmersionRC RushFPV Bardwell Labs TBS(Team Blacksheep)
SmartAudioはTeam Blacksheepが2016年に発表した通信プロトコルで、FCのUART経由でVTXの出力・チャンネル・バンドをリアルタイム変更できる。これによりヒートごとの周波数割り当てが瞬時に自動化され、待機中のVTXを低出力に抑える“PitMode”も実装された。仕様書はTBSが公開し、現在多くのVTXやBetaflightが互換性を持つ。ImmersionRCは同種のTramp、RushFPVはRUSHLINKを展開しているがSmartAudioの開発元ではない。
Q5 : 2020年以降、レースシーンでも採用が進み、高精細ながら20〜30 ms程度の低遅延を実現したデジタルFPVシステムはどれか? DJI Digital FPV System FatShark Dominator V3 Walksnail Avatar HDZero
DJIが2019年に投入したDigital FPV Systemは、720p/120fpsの高解像度映像を20〜28 msの低遅延で伝送できる点が評価され、2020年以降インドア以外のレースイベントでも採用事例が急増した。送受信とも2.4 GHz帯を用い、OcuSync派生の独自プロトコルとデジタル復調により従来の5.8 GHzアナログより鮮明でブレの少ない映像を実現。HDZeroやWalksnailも登場したが普及率ではDJIが依然優勢である。
Q6 : 国際航空連盟(FAI)が定めるドローンレース競技の公式クラス名はどれか? F3U F9U F5J F7A
FAIは2018年にドローン競技を従来のF3Uから新設したF9カテゴリーへ統合し、その中でレース種目を『F9U Drone Racing』として正式認定した。F9Uでは250 g以上の機体重量、4S以下のバッテリー、5 inchプロペラなど細かな技術基準が規程書で示され、世界選手権やワールドカップの競技種目名として使用されている。F3Uは草創期の仮名称、F5Jはグライダー、F7Aはエアロバティックドローンでありドローンレースを指さない。
Q7 : 世界最大規模のプロドローンレースリーグ『DRL(Drone Racing League)』が本社を構える国はどこか? アメリカ合衆国 イギリス 中国 ドイツ
DRLは2015年設立のプロドローンレースリーグで、公式サイトやSEC資料に記載されている通り本社はニューヨーク州に置かれている。リーグ運営やテレビ放映、スポンサー契約なども米国のスポーツビジネスモデルを踏襲し、NBCやESPNとの放映契約も米国内で締結している点がその根拠となる。選手は世界各国から参加するが、運営母体とスタジオ、テクノロジー部門はいずれもアメリカに集中している。
Q8 : FPVドローンレースで最も一般的に使用されるアナログ映像伝送の周波数帯はどれか? 2.4 GHz帯 5.8 GHz帯 1.2 GHz帯 900 MHz帯
FPVレースでは高速飛行時の遅延が少ないアナログ映像が今も主流で、その周波数帯として最も普及しているのが5.8 GHz帯である。2.4 GHz帯は電波到達性に優れるが、操縦用無線と干渉しやすいため映像にはあまり使われない。1.2 GHzや900 MHzは法規制やアンテナサイズの問題でレースシーンでは稀。競技規程やMultiGPルールブックでも標準として5.8 GHz帯が指定されている。
Q9 : レース用ドローンで“5インチクラス”と呼ばれる機体が搭載する一般的なプロペラの直径はどれか? 3.5インチ 4インチ 5インチ 6インチ
レースドローンの中心的カテゴリーは5インチプロペラを用いるクラスで、外径127 mm(約5 inch)の2枚または3枚ペラを装着する。推力と機体サイズのバランスが取れており、スラロームやゲート通過に適した取り回しが得られるため世界大会やDRLのスタンダードとなっている。4インチ以下は“ミニクラス”、6インチ以上は“ビッグクラス”扱いになるのが一般的で、規定でも5インチが基準になっている。
Q10 : 2022年にギネス世界記録として認定されたバッテリー駆動クアッドコプターの最高地上速度はおよそいくつか? 137 km/h 163 km/h 207 km/h 360 km/h
2022年4月にスイスのレーサーLeonard Engelが製作した機体『XLR-V3』が記録した360.503 km/h(224 mph)が最新のギネス公認記録である。記録測定は往復平均速度で算出され、従来のDRL Racer Xの約289 km/hを大きく更新した。高電圧6Sバッテリー、3Dプリント筐体、特注モーターと高ピッチプロペラを組み合わせ、空気抵抗を極限まで抑えた設計が高速達成の鍵となった。
まとめ
いかがでしたか? 今回はドローンレースクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はドローンレースクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。