世界最大規模の熱気球イベント「アルバカーキ・インターナショナル・バルーン・フィエスタ」が開催されるニューメキシコ州をはじめ、気球競技の魅力と歴史、大会概要や競技ルールなど、熱気球レースに関する基礎知識を10問のクイズでご紹介します。大空に浮かぶ艶やかな気球の姿や、パイロットたちの技術を競う迫力ある競技シーンをお楽しみください。
Q1 : 熱気球競技で一般的に燃料として使用されるのはどれ?
現代の熱気球はバーナーで燃料を燃焼させて内部空気を加熱し、周囲より密度を下げて浮力を得る。レース用・レクリエーション用を問わず液化プロパンガス(LPG)が最も一般的で、低温でも気化しやすくエネルギー密度も高い。メタンは気化温度が低すぎ取り扱いが難しく、ガソリンやベンゼンは液体燃料でバーナーに適さない上揮発性が高く危険である。そのため国際規則でも燃料はプロパンが標準とされる。
Q2 : 熱気球競技の世界選手権を公認し公式ランキングを管理する国際組織はどれ?
熱気球を含む航空スポーツの国際統括団体は1905年設立のFAI(国際航空連盟)であり、委員会ごとに世界選手権の運営や競技規則(スポーツコード)を策定している。FIAは自動車連盟、IOCは五輪委員会、UCIは自転車競技連盟で気球競技の公認権限を持たない。FAIの気球委員会(CIA)は世界ランキングや記録認定を行い、各国大会はその規定に従って実施される。
Q3 : 競技タスク「エルボー(ELB)」で得点評価の基準となるものは?
エルボー(ELB)は離陸後の二つの測定点間と、その後の二つ目と三つ目の測定点間の進行方向の角度差を比較し、最も大きな折れ曲がり角を付けたパイロットが高得点を得るユニークなタスクである。直距離や時間、高度ではなくコースの変化量が評価されるため、高度ごとに異なる風向を巧みに利用する戦術が重要となる。よって評価基準は二つの区間の方向差、すなわち角度である。
Q4 : 熱気球レースで着陸後にパイロットが必ず行わなければならない手続きは?
着陸後に自機の位置と状況を競技委員会へ迅速に報告することは、回収チームの派遣や安全管理、次フライトの計画に不可欠である。多くの大会では着陸時刻・座標・機体状態を無線または携帯で連絡することが義務付けられ、連絡を怠ると減点や失格の対象となる。漏れ検査や燃料補給は運用上重要だが規則で必須とは限らず、住民アンケートは運営サービスであって義務ではないため正解にはならない。
Q5 : 熱気球競技でターゲットに向けて投下されるマーカーとして一般的に使用される物は?
マーカーはターゲット付近で投下される布製バッグに長いストリーマが付いた重りで、砂または米が詰められている。色と番号で識別でき、着地点からターゲット中心までの距離が公式成績となる。小型パラシュートは係留用、紙製シートやGPSタグは補助的ツールであり、規定マーカーとしては認められない。したがって重りを付けた布製ストリーマが正答である。
Q6 : 世界最大級の熱気球競技イベント「アルバカーキ・インターナショナル・バルーン・フィエスタ」が開催される米国の州はどこ?
アルバカーキ・インターナショナル・バルーン・フィエスタは1972年に始まった世界最大規模の熱気球イベントで、毎年10月にニューメキシコ州アルバカーキで開催される。競技フライトやマスアセッション、夜間係留のグロウなど多彩なプログラムが行われ、世界中から600機近い気球が集結することもある。高地砂漠特有の安定した早朝の風と「ボックスウインド」と呼ばれる循環風が競技に適しているため、開催地はニューメキシコ州が選ばれている。
Q7 : 競技タスク「ジャッジ・デクレアド・ゴール(JDG)」の内容として正しいものはどれ?
ジャッジ・デクレアド・ゴール(JDG)は競技委員が設定した単一または複数のターゲットに向かい、パイロットがマーカー(砂袋)を投下して中心に最も近づける精度を競うタスクである。一斉離陸ののちGPSロガーと地上審判が計測する。パイロット自身がゴールを宣言するPDGや、先頭気球を追うヘア・アンド・ハウンドとは目的地の決定方法が異なる。正解は委員が決めたゴールに向かうという説明である。
Q8 : 熱気球競技で安全上必須とされる高度計器はどれ?
気球はエンジンを持たないため昇降を制御する手段はバーナー加熱とベント操作のみであり、高度管理は安全に直結する。そのため航法計器の中でも高度計(アルトメーター)は必携とされ、競技規則でも装備義務が明記されている。ピトー管は対気速度計用、ジャイロコンパスは姿勢保持、トランスポンダは管制用であって高度を直接示すものではない。高度計がないと制限高度違反や地形衝突など重大リスクが高まるため、競技でも厳格にチェックされる。
Q9 : 佐賀インターナショナルバルーンフェスタなどで競技フライトが最も実施されやすい時間帯はどれ?
気球競技では日の出直後から地表が温まり始めるまでの穏やかな大気が最適とされる。佐賀インターナショナルバルーンフェスタでも競技フライトは夜明けから朝8時頃に計画され、昼間の熱対流や夕刻の突風を避ける。夜間飛行は原則禁止、正午や午後は気温上昇によるサーマルで風が乱れ精密競技に向かない。早朝は視程も良く、高度ごとに風向が変化するボックス状の流れを利用できることも競技性を高める要因である。
Q10 : 熱気球パイロットが飛行経路を組み立てる際に最も重要視する大気の性質は?
熱気球はエンジン推進力を持たないため、進行方向は全て風に依存する。パイロットは高度を変えて異なる風向を拾い、最適なコースを探す「ウィンドシフト」技術を駆使する。したがって高度による風向・風速の違い(ウィンドシア)を読み取ることがレースの生命線となる。気温減率や湿度は浮揚力に影響を与えるが航法経路の選択には直接結び付かず、紫外線指数は操縦判断に関係しない。
まとめ
いかがでしたか? 今回は熱気球レースクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は熱気球レースクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。