クロスカントリースキーのオリンピック種目で、かつて「パシュート」と呼ばれたクラシカルとフリーを続けて行う種目の現在の正式名称は「スキーアスロン」です。この種目では、コースを同じ周回をクラシカルで滑り終えた直後にスケーティングへ移行するため、ペース配分と位置取りが勝敗を左右する駆け引きがおもしろい競技となっています。
Q1 : クロスカントリースキーの距離レースでFISポイントを計算する際に用いられる係数F(レースファクター)の標準値はどれか
FISポイントは選手タイムと基準タイムの差を係数Fで乗じ、そこにペナルティポイントを加えて算出される。距離レースではF値は八百に固定され、世界中の大会で共通に使用される。スプリントでは一二〇〇が使われるため同じ相対タイム差でもポイント変動が大きい。八百という数値は競技時間が長くタイム差が開きやすい距離レースでもランキングが過大にばらつかないよう統計的に設定されたもので、トップ選手の成績比較を公平に行う基盤となっている。
Q2 : ブーツとビンディングを接続する規格NNN(ニュー・ノルディック・ノルム)を開発した国はどこか
NNNは一九八〇年代にノルウェーのロッテフェラ社が開発したバインディング規格で、ブーツ底に二本のレールと一本のバーを備え軽量かつスムーズなフレックスを実現した。従来型の七五ミリノルムに比べ保持力と操作性が向上し、スケーティング技術が普及した九〇年代以降に世界標準へ拡大。現在はフィッシャー、アトミックなど複数メーカーが互換製品を出している。開発国ノルウェーはクロスカントリー大国であり、用具面でも競技進化を牽引してきた歴史を持つ。
Q3 : クロスカントリースキーワールドカップで総合リーダーが着用するビブの色は何色か
ワールドカップでは現在の総合ポイント首位選手が黄色のリーダーズビブを着用する。これにより観客やテレビ視聴者は一目でトップランカーを識別でき、レース展開の理解が深まる。スプリント総合リーダーは赤、U二三カテゴリーは青といった色分けがFIS規定に明記されており、黄色は最も価値が高い。シーズン最終戦終了時点で黄色ビブを保持していた選手が年間総合優勝者となり、大型クリスタルトロフィーとともにビブが授与される。
Q4 : クラシカル走法で滑走面中央に塗るキックワックスが雪面に対して働く主な物理的原理はどれか
キックワックスは踏み込んだ瞬間に雪粒へ食い込み強い静摩擦を発生させることでスキーが後退せず前方推進力へ変換する。体重が抜けると圧力が下がり、ワックスの接触面が減って摩擦が弱まり滑走面前後に塗布したグライドワックス部分が働いて再び滑りに移る。この摩擦と滑走の切り替えを細かく制御するため、雪温や結晶形状に合わせて硬さや粘度の異なるワックスを選択し多層に重ね塗りするのが競技現場の常識で、高性能なグリップゾーンを作ることがタイム短縮の鍵となる。
Q5 : FISが推奨するクロスカントリースキー板の最小長が身長プラス十センチとされる主な理由は何か
身長より十分に長い板を使用すると接雪面積が増えて体重が雪面に均等に分散され、沈み込みが小さくなるため摩擦抵抗が減り滑走速度が向上する。特に新雪や軟雪では短い板だと深く潜り失速しやすいが、長い板は浮力が大きくグライド性能に優れる。さらに接雪長が長いと直進安定性も高まりバランスを取りやすい。曲がりやすさや持ち運びやすさは副次的で、競技者にとっては速度向上こそが最優先であるためFISは身長プラス十センチを推奨値としている。
Q6 : 北京五輪時点で行われている女子クロスカントリースキーリレーの距離構成はどれか
女子リレーは一九九二年アルベールビル大会以前の三人編成から拡充され、現在は四人が各五キロを滑る四×五キロ形式で実施されている。前半二走がクラシカル、後半二走がフリーという構成は男子四×十キロと同じで、各チームはトップクラシカルとトップスケーティングの選手をどう配置するかで戦略を組む。距離を男女で変えているのは競技時間をほぼ同等に保ち大会進行を円滑にする目的があるためで、世界選手権やワールドカップでも四×五キロが標準となっている。
Q7 : クロスカントリースキーのオリンピック種目で、かつて「パシュート」と呼ばれたクラシカルとフリーを続けて行う種目の現在の正式名称はどれか
スキーアスロンはクラシカル半分とフリー半分を連続して滑る距離レースで、2003年に国際ルールが整理され正式名称がスキーアスロンとなった。2006年トリノ五輪まではパシュートという旧称が併記されていたが現在は置き換えられている。途中の機材交換ゾーンでスキーとストックを替えるため技術、体力、ピットワークの総合力が問われる。コースは同じ周回をクラシカルで滑り終えた直後にスケーティングへ移行する構成で、ペース配分と位置取りが勝敗を左右するため駆け引きがおもしろい種目とされる。
Q8 : スケーティング走法で使用するストックの長さの目安として広く推奨される割合は身長のおよそ何パーセントか
スケーティングでは長めのストックを使い前方へ強く突いて推進力を得るため、身長の約九十パーセントが理想とされる。クラシカル用には八十三パーセントという上限がFIS規則で定められているが、スケーティングには数値規制がなく、多くの選手は顎から鼻の高さに相当する九十パーセント前後を選ぶ。長すぎると肘が伸びきり腕振りが制限され、短すぎると推進効率が落ちるのでこの割合が最もバランスが良いとされる。ストック長はテクニックと雪質に応じて数センチ単位で調整するのが一般的である。
Q9 : 2022年北京五輪の男子クロスカントリー五十キロクラシカル(当日は二十八キロ余に短縮)で金メダルを獲得した選手は誰か
強風と極寒により距離が短縮された決勝で、ROC代表のアレクサンドル・ボルシュノフが三十七分五十四秒八で圧勝した。スタート直後から先頭付近を維持し、緩い登りでリズムを崩さずにペースを上げたことでライバルに二十秒以上の差をつけた。二位はイーヴォ・ニスカネン、三位はアレクサンドル・チュボフ。ボルシュノフは同大会リレーでも金を獲得しており、クラシカルとフリー双方に優れたオールラウンダーとして実力を証明したレースとなった。
Q10 : FISが二〇二〇/二一シーズンからクロスカントリースキーでフルオロワックスを禁止した主な理由は何か
フルオロワックスは撥水性が極めて高く滑走面と雪面の水膜を減らしてスピードを向上させるが、含まれるPFAS化合物は分解されにくく環境残留性が強いうえ人体蓄積毒性も指摘されている。欧州で製造規制が進む中でFISは環境保護と選手の健康リスク低減を最優先とし、二〇二〇年秋に全面禁止を決定した。公平性やコストも議論されたが主因は有害性で、現在は専用検査装置で抜き打ちチェックが行われ違反者は失格処分となる。
まとめ
いかがでしたか? 今回はクロスカントリースキークイズをお送りしました。
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