パワーボートレースの世界は熱狂的なファンを持つ一方で、一般にはあまり知られていない競技です。本記事では、この分野の最高峰カテゴリーであるF1H2Oを中心に、パワーボートレースの歴史や魅力をクイズ形式でお伝えします。アドレナリンを誘う驚異的なスピード、技術革新の競争、世界各地を転戦するグローバルな舞台など、この競技の魅力が凝縮されています。パワーボートレースの世界を存分に堪能していただければと思います。
Q1 : F1H2Oの決勝ヒートはサーキットの長さにもよるが、通常何周前後で争われることが最も多い? 40周前後 10周前後 100周前後 5周前後
F1H2O決勝は総距離60~70kmになるよう設定され、1周1.5~2kmのコースでは約40周前後となる。多すぎると燃料搭載量が増え重量ハンデが大きく、少なすぎると追い上げやピットストップ戦略の妙味が薄れるため、この周回数が妥協点として定着した。時間にして30~40分でテレビ放映枠に収まり、観客が集中力を切らさず観戦できる長さであることも運営側の狙い。周回表示ボードや電子計測でラップ管理が厳格に行われる。
Q2 : 2010年代までにF1H2Oで通算10回のシリーズチャンピオンという最多タイトル記録を打ち立てたイタリア人ドライバーは誰? アレックス・カレラ フィリップ・シャオッペ グイド・カッペリーニ ショーン・トレント
グイド・カッペリーニは1993年に初王座を獲得して以降、2005年までに10回シリーズチャンピオンを獲得し、F1H2O史上最多記録を保持している。イタリア・コモ湖出身で、精密なターンと安定した予選スピードで知られた。後にチームオーナーや技術顧問としても活動し、カテゴリーの発展に寄与。三度王者となったアレックス・カレラや二度連覇したフィリップ・シャオッペでもこの金字塔にはまだ届いていない。
Q3 : 『マラソン・オブ・ザ・シーズ』の異名を持ち、1961年に第1回が開かれたイギリスの伝統的オフショアパワーボートレースはどれ? マイアミ–ナッソー キーウエスト世界選手権 ドバイグランプリ コウズ–トーキー–コウズ
コウズ–トーキー–コウズは英国南部ソレント海峡とトーキー間を往復する総距離約300kmのオフショア耐久レースで、1961年に新聞王マックス・アイトケンが創設した。荒れるイギリス海峡の波と複雑な潮流が選手を苦しめ、完走率が50%を切る年もあることから『海のマラソン』と呼ばれる。オフショア競技史で最も長い伝統を持ち、スティーヴ・カーティスなど世界的スター達が優勝を争ってきた名門イベントである。
Q4 : 世界のパワーボート競技を統括し、各種世界選手権を公認している国際連盟はどこ? FIA UIM ISAF ICF
UIM(Union Internationale Motonautique)は1922年設立、本部モナコ。F1H2OやClass1、Aquabikeなど十数種類の世界選手権を公認し、公平な技術規則、ライセンス、レコード認定、安全基準を策定している。加盟国は60を超え、IOCとも協力。近年は電動艇シリーズの創設や環境ガイドライン整備にも積極的で、モーターボート界全体の統括機関として国際的に認知されている。
Q5 : F1H2Oのテクニカルレギュレーションで、艇体・エンジン・燃料・ドライバーを含む最低重量として定められているのはおおよそ何kg? 約513kg 約350kg 約680kg 約920kg
F1H2Oの最低重量は513kgで、ボートやエンジンの軽量化競争を抑えつつ安全性を確保する目的がある。レース後には公式計量が行われ、下回れば即失格。設計者はカーボンやノーメックスハニカムなど航空機材を駆使して重量を削り、必要に応じてバラストで重心を調整する。絶妙な数値設定により各チームは共通のハンデを背負い、ドライバーの腕とセッティングが結果を左右する環境が保たれている。
Q6 : F1H2Oで競技用に指定されている燃料は次のうちどれ? レギュラーガソリン 無鉛ハイオクガソリン メタノール 軽油
F1H2Oではオクタン価95RON以上の無鉛ハイオクガソリンのみが許可される。2ストロークV6を1万回転以上で回し続けるため耐ノッキング性が不可欠で、鉛添加は禁止。大会運営が同一ロット燃料を供給し、燃料サンプル解析で不純物が検出されれば即失格となる。高価な添加剤による性能格差を排除し、レースをドライバー技量とセッティング勝負に集中させるのが目的である。
Q7 : 高速オフショア艇などで採用される、水面から半分ほど外に出た状態で回転し抵抗を減らす推進器方式は何と呼ばれる? ジェットドライブ ウォータースクリュー サーフェスピアシングプロペラ ポッドドライブ
サーフェスピアシングプロペラはブレードの半分が水面上に露出しながら回転するため、軸方向の抵抗が劇的に低減する。キャビテーションで出来る空洞をブレードが再突入する際の衝撃を推進力に転換できる利点もあり、4000hp級エンジンの出力を効率良く水に伝える。低速では振動が大きく操縦が難しいが、高速域では世界最速クラスの推進効率を誇り、1960年代以降の外洋レースで標準的手法となった。
Q8 : 1978年にケン・ウォービーが『スピリット・オブ・オーストラリア』で樹立した有人水上速度世界記録の平均速度は? 402km/h 457km/h 489km/h 511km/h
1978年10月8日、ケン・ウォービーはオーストラリア・ブロワリング貯水池でターボジェット艇スピリット・オブ・オーストラリアを操縦し、往復平均511.11km/hを記録。UIMが計測区間を両方向で測定して公認した。木製ハンドメイド艇に航空機用J34ジェットを搭載するという斬新な構成で、記録は45年以上破られていない。最高速区間では100mを0.7秒で通過する計算になり、人間と機材の限界に挑んだ象徴的記録として語り継がれている。
Q9 : 頭文字APBAで知られる、1903年創設のアメリカ国内パワーボート競技連盟の正式名称は? American Powerboat Organization American Power Boat Association Association of Professional Boat Athletes Association for Powerboat Racing
American Power Boat Associationは1903年にニューヨークで発足し、UIMに加盟する米国内統括団体。本部はデトロイト。ハイドロプレーン、オフショア、ストックアウトボードなど20以上のカテゴリーを主催し、安全基準やエンジン規則、年齢区分を細かく定義している。国内200以上のクラブを束ね、年間数百のレースを管理。ジュニア育成制度が充実しており、多くの世界王者を輩出してきた。
Q10 : 世界で最も格式が高いシングルシート・フォーミュラ形式のパワーボート世界選手権は何と呼ばれている? F1H2O オフショアClass1 P1 SuperStock Enduro 4000
F1H2Oは正式にはUIM F1 Powerboat World Championshipと呼ばれ、1981年に創設された最高峰カテゴリー。カーボン製双胴艇にV6 2ストロークエンジンを搭載し、コーナーで6G超、最高速220km/h超という過酷さから水上のF1とも呼ばれる。世界各地の転戦方式や予選タイムトライアルなどが特徴で、選手はわずか20名程度しか参戦できないエリートシリーズである。
まとめ
いかがでしたか? 今回はパワーボートレースクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はパワーボートレースクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。