フィンスイミングは現代のオリンピック水泳種目に匹敵する高速の人力水中移動手段で、世界中から多くのアスリートを魅了する競技です。このユニークなスポーツの魅力を探るべく、モノフィンの構造やCMASによる国際統括、競技ルールなど、様々な側面から基本的な知識を問う10問のクイズをお届けします。フィンスイミングの世界をさらに深く知る一助となれば幸いです。
Q1 : 現在主流の高性能モノフィンのブレード素材として最も一般的に使用されているものはどれでしょう ゴム ポリカーボネート グラスファイバーとカーボンファイバーの複合材 金属板
初期のモノフィンはゴムや硬質プラスチックで作られていたが重量と反発力に難があった。近年は軽量かつ弾性に優れるグラスファイバーやカーボンファイバーを樹脂で積層した複合材が主流である。これによりブレードがしなった後すばやく元に戻り大きな推進力を生む。ポリカーボネートは練習用に使われることがあるが競技用の剛性には足りない。金属板は水に沈みやすく安全面でも不適切とされる。
Q2 : フィンスイミングのサーフィス種目で認められているスタート方法として正しいものはどれでしょう 飛び込みは禁止されるためプール内からの水中スタート スタート台にうつ伏せで静止する姿勢 背泳ぎのように後ろ向きでスタート台を保持する方法 通常の前方への飛び込みスタート
競技規則ではサーフィス種目とビーフィン種目は水泳競技と同様のスターティングブロックを使用した前方への飛び込みスタートが採用される。選手はモノフィンまたはビーフィンを装着しセンターシュノーケルを口にくわえたままホイッスルの後にブロックからダイブし水中でイルカキックを数回行って浮上する。安全を理由に飛び込みを禁止する規定は存在せず背面スタートも認められない。したがって通常の前方飛び込みが正しい。
Q3 : 男子の50メートルサーフィス世界記録に最も近いタイム帯は次のうちどれでしょう 約13秒台 約16秒台 約20秒台 約25秒台
2022年にロシアのマキシムシメトレフが樹立した男子50メートルサーフィスの世界記録は13秒70であり人類が泳ぐ最速タイムとして知られる。自由形の世界記録21秒台と比較すると毎秒およそ3.6メートル速い計算になる。16秒台は女子のトップに近い記録20秒台や25秒台はジュニアまたは一般水泳選手のタイムである。従って最も近い帯は13秒台となる。
Q4 : ビーフィン種目で使用が義務付けられているキック動作はどれでしょう ドルフィンキック 交互のフラッターキック 平泳ぎキック キックの規定は特にない
ビーフィン種目では左右に独立した短めのフィンを用い水泳自由形に似た動きで競技する。そのため両脚を揃えて行うドルフィンキックは禁止されておりスタート直後の水中移動もフラッターキックでなければならない。規則違反のドルフィンキックを行うと失格となる。平泳ぎキックは推進効率が低く採用されていない。規程がないわけではなくフラッターキックが明確に義務付けられている。
Q5 : プール種目の多くで用いられ世界記録の大半がこのフィンで樹立されている代表的なフィンはどれでしょう モノフィン ビーフィン ショートフィン フラッターフィン
モノフィンは一枚の大きなブレードに両足を揃えて装着するフィンでイルカの尾びれのような形状を持つ。推進効率が非常に高くサーフィス種目とアプネア種目の両方で採用されている。世界選手権やワールドゲームズで計測される最高速度は水泳自由形の約二倍に達し最速の人力水中移動手段と呼ばれる。ほとんどの世界記録がモノフィンで設定されておりフィンスイミングを象徴する用具と言える。
Q6 : フィンスイミングの国際統括団体として世界選手権を主催しているのはどれでしょう FINA CMAS ISF IOC
CMASはConfédération Mondiale des Activités Subaquatiquesの略称で日本語では世界水中連盟と訳される。1959年にジャックイヴクストーらが設立しスクーバダイビング水中ホッケー水中ラグビーなど多様な水中スポーツを統括している。フィンスイミングのルール作成や審判員の育成世界選手権の開催権を持つ唯一の国際連盟でありFINAなど他団体はフィンスイミングには関与しない。
Q7 : モノフィンを使ったフィンスイミングで用いられる推進方法として正しいものはどれでしょう 平泳ぎキック クロールキック イルカキック バタフライのアーム動作
モノフィンでは両脚が固定されるため左右交互のフラッターキックは不可能である。代わりに腰を中心に全身を波のように連動させるイルカキックを行う。これは胸から膝へと順次エネルギーを伝えることでブレード先端を大きくしならせ水を後方へ高速で押し出す。足先だけで打つと推進が得られないため体幹のリズムと柔軟な腰の動きが重要となる。正しいイルカキックを習得すると自由形泳者の二倍近い速度が得られる。
Q8 : フィンスイミング世界選手権のプール競技が行われる標準的なプール長はどれでしょう 25メートル 33.3メートル 40メートル 50メートル
CMAS競技規則では国際大会を開催するプールは50メートル長で8レーン以上と定められている。25メートルプールでも国内大会は可能だが短水路として別の記録扱いとなる。33.3メートルや40メートルプールは公式競技規格に該当しないため世界記録を公認できない。50メートルの長水路は速度が高いフィンスイマーでも折り返し回数が減りタイムが安定する利点がある。したがって主要国際大会は必ず50メートルプールで実施される。
Q9 : サーフィス種目で競技者が口から離さずに使用し続けることが義務付けられている器具は何でしょう センターシュノーケル ダイバーズレギュレーター スキューバ用フルフェイスマスク 呼吸器は装着しない
サーフィス種目では水面を泳ぎながら常時呼吸できるよう額の中央に固定するセンターシュノーケルを使用する。通常のJ字型とは異なり頭の前面を通るため進行方向の空気を直接取り込み抵抗を最小限に抑える構造になっている。レギュレーターやフルフェイスマスクの使用は規則で禁止されており呼吸器具を失った場合は失格となる。センターシュノーケルはスタートダイブの衝撃にも耐えるよう曲がりにくい材質が用いられている。
Q10 : オープンウォーターで行われるフィンスイミング長距離種目として世界選手権で採用されている代表的な距離はどれでしょう 2キロメートル 6キロメートル 12キロメートル 50キロメートル
CMAS長距離世界選手権では湖や海を利用して6キロメートルレースを実施することが通例である。6キロは水温波高潮流の影響を受ける中でも安全に開催しやすく競技時間も一時間前後に収まる。男子ではさらに20キロ種目が設けられるが6キロは男女共通で実施され参加者が最も多い。2キロはスプリント扱いで年齢別大会向け12キロや50キロは公式には存在しない。したがって世界選手権の代表的距離は6キロメートルである。
まとめ
いかがでしたか? 今回はフィンスイミングクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はフィンスイミングクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。