ボルダリング愛好家必見!世界のクライマーたちが熱中するボルダリングの知識を問う、クイズ10問を用意しました。表面の特徴から用語の意味、オリンピック選手の活躍まで、ボルダリングの基礎からトピックまでを網羅。クライミングの魅力を知り尽くすためのクイズに挑戦し、自身のボルダリング力を確かめてみましょう。ポイントは指の保持力だけでなく、体重移動やバランス感覚。ボルダリングの奥深さを実感できる内容になっています。
Q1 : 東京2020オリンピックのスポーツクライミング女子複合で優勝した選手は誰か?
東京2020大会(実施は2021年)のスポーツクライミング女子複合では、スロベニアのヤンヤ・ガルンブレトが圧巻の強さで金メダルを獲得した。特に得意とするボルダリングで唯一の2トップを奪い決勝を支配し、スピードとリードでも高順位を確保したことが勝因である。日本の野口啓代は銅、ポーランドのミロスラフはスピード1位ながら総合には届かなかった。ガルンブレトはワールドカップ・ボルダーで通算30勝以上を誇り、完成度の高さがオリンピックでも発揮された。
Q2 : ボルダリングで「カチ持ち」をする際、最も起こりやすい怪我はどれか?
カチ持ちは第一関節を強く曲げ第二関節を伸ばすことで小さなエッジに最大荷重をかける保持方法で、指への負担が非常に大きい。特に指腱を骨に固定しているA2プーリーに強大な張力が掛かり、部分断裂や完全断裂が頻発する。肩や膝の怪我は別動作で起こるが、カチ持ち特有の負傷として最も典型なのはA2プーリー損傷であるため、ウォームアップやオープンハンドとの併用が推奨される。
Q3 : ボルダリングで「クリンプ」とも呼ばれる持ち方は日本語で何と呼ばれるか?
クリンプは英語で「つぶす」という意味から来ており、浅いエッジを指先でつかむ形。日本のクライマーは古くからこれを「カチ持ち」と呼んでいる。第一関節を鋭角に曲げることで指端に体重を集中させ小さいホールドを保持できるが、その反面プーリー損傷のリスクが高い。オープンハンドは指を伸ばし気味に保持する方法、ガストンやアンダークラングは力をかける方向が異なる別のムーブである。
Q4 : ボルダリング用語「ガストン」は主にどの方向に力を加えるムーブか?
ガストンはフランス人クライマー、ガストン・レビュファによるムーブ名で、肘を張り出しながら手のひらを外側へ向け、壁を左右に押し広げるように力を加える保持方法。肩と胸筋を使って横方向に体を安定させるのが特徴で、葉っぱのように指を広げて縁を押さえる形になる。下から上へ押すアンダークラングや手前に引くラップとは力のベクトルが異なり、外傾壁で側圧を得たい場面で重宝する。ガストンでは肘の位置が高すぎると疲労が早く、低すぎるとホールドから滑るため、角度調整が重要である。
Q5 : ボルダリング課題の初登者が名前の後に付ける「FA」の略は何か?
FAは“First Ascent”の略で、自然岩やジム課題を最初に完登したクライマーを示す慣例的な記号。初登者はラインを見抜き、スタートからトップまでの連続ムーブを初めてつなげることでグレード提案も行う。First Attemptは一回目のトライ、Anchorは支点、Final Ascentは造語であり、使われない。クライミング文化ではFAの記録が歴史として重視され、名前と日付がトポに刻まれる。初登はルートの倫理や保護方法を決定づける責任も伴い、その後に登るクライマーが基準とする重要な指標となる。
Q6 : ジムの課題表示で使われる「セッター」の役割は何か?
セッター(ルートセッター)は壁にホールドやボリュームを取り付け、グレードやテーマに沿った課題を創作する専門職で、ジムの楽しさを左右するキーパーソン。ムーブの流れや安全動線、グレードバランスを考慮しながらインパクトレンチで取り付け、試登によって完成度を吟味する。受付や清掃は別スタッフが担うことが多く、応急処置は資格を持つ救護員の役割である。セッターは継続的に課題を入れ替え顧客を飽きさせない。
Q7 : ボルダリングで「スローパー」と呼ばれるホールドの特徴はどれか?
スローパーは丸みを帯びた傾斜面で指を掛けられる縁がほとんどなく、手のひら全体と摩擦で保持するホールド。深いポケットや鋭いエッジとは対照的で、握力よりも体重移動や角度調整が重要となるため、中級者がバランス感覚を養うのに好んでセットされる。滑りやすいのでチョーク量や肘の位置もポイントとなり、体幹がぶれると一瞬で落下する。
Q8 : ボルダリングの「Vグレード」表記を最初に導入した人物は誰か?
Vグレードはアメリカ・テキサス州ヒューコタンクスで活動していたクライマー、ジョン“バーミン”シャーマンが1990年代初頭に提唱したグレーディングシステムで、彼のニックネーム“Vermin”の頭文字からV0、V1と段階的に難度を示す。従来のYDSでは細かいボルダリング課題の差が表しにくかったため作成され、現在は世界中の屋外課題やジムでも広く採用される。
Q9 : IFSC公式大会のボルダリング決勝における1課題あたりの制限時間は何分か?
IFSC競技規則では決勝ラウンドの各課題に対し4分間の「4分ルール」が適用される。選手はその間に好きなだけトライでき、4分経過時にすでに壁に取りついていれば継続が認められる。以前は5分が標準だったが2018シーズンからスピード感を高める目的で短縮され、戦略やレスト配分がよりシビアになった。3分や6分といった設定は公式戦では用いられていない。
Q10 : 液体チョークの主成分として最も一般的に使用されているアルコールはどれか?
液体チョークは炭酸マグネシウムの粉末をアルコールで懸濁したもので、塗布後にアルコールが揮発して手汗を乾かし、粉が手のひらに密着する。消毒効果も期待できるためクライミングジムで普及した。アルコールとしては揮発速度が速く、皮膚刺激が比較的少ないイソプロパノール(2-プロパノール)を採用する製品が多い。メタノールは毒性が強く、エタノールやブタノールは乾燥速度や臭気の点で主流ではない。
まとめ
いかがでしたか? 今回はボルダリングクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はボルダリングクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。