スポーツクライミング界では、リード競技が常に大注目を集めています。IFSC(国際スポーツクライミング連盟)が主催するワールドカップやワールドチャンピオンシップは、クライマーたちの根性と技術を徹底的に試します。10問のクイズを通じて、リード競技の奥深さを掘り下げていきます。競技規則や歴史、有名選手の活躍など、クライミングファンなら知っておきたい情報が満載です。クイズに挑戦して、リード競技の魅力を存分に感じ取ってください。
Q1 : リード競技でクイックドローのロープ側カラビナとして最も一般的に採用されているゲート形状はどれか?
ロープ側カラビナにはゲートが内側に湾曲したベントゲートタイプが多用される。湾曲によりロープを押し込みやすく、クリッピングスピードを高めるため競技向きとされる。ストレートゲートはボルト側で使用されることが多く、ワイヤーゲートは軽量だが剛性が低く大規模大会では少数派。オートロックゲートは片手で素早く扱いにくく、複雑な機構が競技規定と合わないため公式大会では使われない。ベントゲートは安全規格EN12275を満たしつつ操作性を最重視した選択と言える。
Q2 : 決勝前に選手全員がルートを下から観察できるオブザベーションタイムは通常何分?
リード決勝ではオンサイト方式が取られ、選手は登攀前にルートを直接登ることはできない。代わりに全員が壁の前に集合し、双眼鏡などを使ってムーブを検討する観察時間が設けられている。IFSCルールではこの時間を6分と定めており、過去には5分だったが競技性向上のため延長された経緯がある。限られた6分でホールドの向きやクリップ位置を記憶し、ムーブプランを立てる能力が勝負に大きく影響する。
Q3 : リード競技で壁にあらかじめ設置され、競技中にクライマーがロープをクリップするために用いる器具は何と呼ばれる?
クイックドローはカラビナを2枚スリングで連結した道具で、ボルトハンガーに掛けてある上側カラビナ(ボルト側)と、競技中にロープを通す下側カラビナ(ロープ側)から構成される。リード競技では主催者が一定間隔でクイックドローを設置し、選手は登りながら順番にロープをクリップしていく。スリングはナイロンやダイニーマ製のテープで道具全般を指し、フィックスドロープは別競技用の常設ロープ、ボルトハンガーは壁に固定された金具そのものなので誤りである。
Q4 : IFSCワールドカップ男子決勝ルートの難易度は、フランスグレードでおおむねどの程度に設定されることが多い?
大会ルートセッターは、完登者が1〜2名出る程度の接戦を演出するため、男子決勝ルートを概ねフランスグレード8b+(5.14a)前後に設定するのが一般的である。女子の場合は約8b前後が目安とされる。国内外の大会リザルトを見ても8b+設定で完登が1人、複数選手が高度40手付近でフォールという展開が多い。7bや6c+では完登者が続出して順位がつかず、9bでは誰も抜けられない恐れがあるため競技として適正難度の調整が鍵となる。
Q5 : 2021年モスクワで開催されたIFSCクライミング世界選手権・リード男子で優勝したのは誰?
2021年の世界選手権リード男子決勝ではオーストリアのヤコブ・シューベルトがただ一人完登し、2012年パリ大会以来となる2度目の世界王者に輝いた。東京五輪でも金メダルを逃したものの圧巻の完登で銅を獲得しており、その高い持久力と終盤での粘りが武器。アダム・オンドラは惜しくも僅差で4位、イタリアのステファノ・ギソルフィが銀、アメリカのコリン・ダフィーが5位だった。結果はシューベルトの国際的な安定感を裏付けるものとなった。
Q6 : ロープを誤って前のクイックドローにも通したまま次のクイックドローにも通し、ロープがZ字形に交差してしまうミスは何と呼ばれる?
Zクリップはロープの末端を前のクイックドローに再び通してしまうことで、ロープが壁側で交差しZ字形になるクリップミスである。この状態でさらに登るとフォール時にロープが正常に機能せず危険なため、競技では選手が間違いに気付き修正しない限り、その時点での到達高度が記録され競技終了となる。バッククリップはカラビナにロープを逆向きに掛ける別のミス、テイクはロープにテンションを掛けてもらう合図、ダイノはホールド間を跳ぶムーブを指す。
Q7 : IFSC公式のリード競技で使用されるロープの種類として正しいものはどれか?
競技で使用されるロープは、単一のロープ1本で安全係数を満たすシングルダイナミックロープに限定されている。動的伸びによってフォール時の衝撃荷重を吸収し、外径9.0〜9.9mm、長さ50m超が主流。ハーフロープやツインロープはアルパイン用に2本同時または交互に使う方式で、競技では扱いが煩雑になるため採用されない。スタティックロープは伸び率が低くフォール衝撃を緩和できないため、競技使用は禁止と明確に規定されている。
Q8 : リード種目のクライミングワールドカップが初めて公式に開催されたのは西暦何年?
国際競技としてのリードクライミングは、UIAA(国際山岳連盟)が主催した1989年のワールドカップシリーズから本格的にスタートした。会場は欧州複数都市で、人工壁を使ったリード競技がツアー形式で行われた。1991年には世界選手権も創設され、その後2007年にIFSCが独立して現在の体制に至る。1980年代後半のワールドカップ創設は、岩場とは異なる純粋な競技クライミング文化の重要な転換点と評価されている。
Q9 : IFSC主催のリード競技において、クライマー1人に与えられる制限時間は何分?
IFSC競技規定では、予選・準決勝・決勝を通して、クライマーが登攀を開始してから上限に達するかフォールするまでに許される時間は6分と定められている。以前は8分だったが国際大会の進行円滑化を目的に2012年のルール改定で短縮された。スタートから6分を超えると保持中でも競技終了となり、最終保持ホールドは無効となるため時間管理も戦術の重要要素である。
Q10 : リード競技ではどのような基準で順位が決まるか?
リード競技では各ホールドに番号が振られており、選手がコントロール(保持またはクリップ)した最も高いホールド番号がスコアとなる。同じ高さで落下した選手が複数いた場合は、より短時間でその高度に到達した選手が上位となる。完登者が複数出た場合もタイムで決着する。高さが最重要でタイムはタイブレークという二段階方式が特徴で、純粋な到達高度の競争である点がボルダリングやスピードと異なる。
まとめ
いかがでしたか? 今回はスポーツクライミング(リード)クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はスポーツクライミング(リード)クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。