Q1 : 個人トランポリン競技で滞空時間(Time of Flight)を計測するためにFIG公認大会で主流となっている装置はどれか?
Time of Flightは選手の身体がベッドを離れてから再接触するまでの時間を10分の1,000秒精度で合算する指標で、高精度なオンオフ検知が必要である。FIG公認装置はベッド周囲に配置した赤外線またはレーザー光学センサーが跳躍面を横断するビームを用いて通過を検出し、選手が空中にいる間はビームが遮断されないことを利用して計時する。ウェアラブル加速度計やGPSは位置・時間誤差が大きく競技規格を満たさず、風速計は気流測定用でToF計測には適用されない。光学式は非接触で重量の影響がなく国際大会で標準化されている。
トリフィスは正式にはTriple Front/Back Somersault with ½ Twist in the last somersaultを意味し、3回宙返りに加えて最後の宙返りに0.5ひねりを入れる高難度技である。FIG難度コードでは3回宙返りに該当するため、ベースの難度点は2.6(3×0.6+ひねり点)となる。2回宙返りはダブルサマーソルト、4回はクアッドと呼ばれ、現行ルールではトリフィス以上がメダル争いの鍵を握ることが多い。演技の軸保持と滞空時間の確保が必須で、失敗時の危険性も高い。
Q4 : トランポリン競技を管轄する国際統括団体は次のうちどれか?
トランポリンは体操の一種として1913年創設の国際体操連盟(Fédération Internationale de Gymnastique, FIG)が統括している。FIGは器具規格、採点規則、国際審判養成などを行い、オリンピックや世界選手権の主催権限も持つ。一方、IAAFは陸上競技、UCIは自転車、FINAは水泳を管轄しておりトランポリンとは無関係である。FIGの中では器械体操、リズミック、トランポリン、アクロ体操、パルクールなど複数の競技群が共存している。2000年の五輪正式採用以降、FIGは安全規格強化や得点システムの電子化を推進している。
EN 13219はEuropean Standardとして欧州標準化委員会(CEN)が2008年に発行した屋内外トランポリンの安全要求事項と試験方法に関する規格である。EU加盟国はこれを国内規格として採用し、耐荷重・フレーム強度・スプリング張力など詳細な試験手順を義務付ける。ANSIは米国、JISは日本、ISOは国際規格を策定する機関だが、EN 13219は欧州域内調和を目的とした地域規格であるため、それ以外の機関は直接関与していない。規格遵守はCEマーキング取得の前提ともなる。