トラックサイクリングの醍醐味を味わえる10問のクイズをお楽しみください。オリンピックの競技種目や歴代記録保持者、競技用自転車の特徴など、トラック競技に関する基礎知識から最新情報まで、ライダーならずとも答えられるクイズが満載です。トラックサイクリングの奥深さにきっと驚かされるはずです。この機会に、あなたもトラック競技の世界を探検してみてはいかがでしょうか。
Q1 : トラック種目ケイリンでスタートから残り約600 mまで選手を時速50 km前後で先導する専用ペーサー用モーターバイクの名称は?
ケイリンではフェアな加速環境をつくるために小排気量エンジンと自転車用車輪を備えた特殊車両が先導役を務める。正式名称はフランス語由来の「Derny(デルニー)」で、戦後のフランスで市民レース用に開発されたペーシングバイクが語源とされる。レース序盤はデルニーの後方に隊列を組み、周回速度が徐々に引き上げられ、残り約600 mで退避すると自由攻撃が始まる。似た言葉のモペッドやスクーターは一般車両を指すため誤りとなる。
Q2 : トラック用自転車が公道用バイクと大きく異なる点として正しいものはどれ?
トラックバイクは軽量化と空力性能を最優先するうえ、急減速がレース安全性を損なうため前後ブレーキを一切装備しないことがUCI規則で明記されている。推進力と減速は固定ギアによる脚力制御とバンク傾斜を利用して行う。ドロップハンドルやスポークホイールはロードと共通仕様だが、ブレーキ非搭載は競技専用車を象徴する特徴である。公道走行は不可で、会場内移動でも必ず手で押すなど安全策を取る必要がある。
Q3 : 東京2020大会終了時点で男子トラック競技史上最多となるオリンピック金メダル7個を獲得しているイギリスの短距離スプリンターは誰?
ジェイソン・ケニーは2008北京のチームスプリント金を皮切りに、ロンドン、リオ、東京と4大会連続で金メダルを積み上げ、合計7個とした。6個で引退した先輩クリス・ホイを上回り、男子自転車競技史の単独最多記録保持者となった。特に東京大会のケイリン決勝では異例のロングスパートにより後続を寄せつけず快勝し、世界中のファンを驚かせた。イタリアのガンナやフランスのボジェはパシュートやスプリントの実力者だが金メダル数は及ばない。
Q4 : オリンピック男子マディソンでは250 mトラックを何周(おおよそ何 km)走行して勝敗を決めるか?
男子マディソンは200周=50 kmで実施され、10周ごとに設定されたスプリント周回で得点を争う形式が採用されている。2人1組が手でタッチして交代する独特のリレー方式により、周回遅れを奪う戦術とポイント争奪が同時進行する。距離が長いように見えても選手は交互に走行するため実質走行時間は半分程度となり、高い持久力と瞬発力の両立が求められる。女子は120周=30 kmなので距離を比較すると種目区分を理解しやすい。
Q5 : 2022年10月にスイス・グレンチェンのヴェロドロームで時速56.792 kmを記録し、UCIアワーレコードを更新した選手は誰?
イタリアのフィリッポ・ガンナは東京五輪団体追抜金メダル獲得後、空力研究チームとの共同開発で極端に細いフォークやワンオフのピストフレーム、3Dプリントハンドルを投入し、1時間で56.792 kmという前人未踏の距離を達成した。それまでの記録保持者はイネオス同僚のダン・ビガム(55.548 km)。ウィギンスやカンペナールツも過去に記録を打ち立てたが、ガンナが大幅に更新しアワーレコードのハードルを一気に引き上げた。
Q6 : 国際規格250 m木製バンクのコーナーで見られる最大バンク角は一般的に何度前後か?
短い半径でも高速を維持させるため、250 mトラックのコーナーは約42〜45度の急傾斜が設計標準とされる。これにより時速70 kmを超えるスプリントでも遠心力が相殺され、ライダーはほぼ垂直に近い感覚で走行できる。38度は333 m長の屋外バンクに多く、30度は旧400 mバンクに見られる緩い傾斜。52度はごく少数の練習用ミニバンクの極端な例で国際大会では採用されていない。急傾斜は木材の摩擦係数と相まって転倒防止にも寄与するため、安全性も確保されている。
Q7 : 男子200 mフライングTT世界記録9.100秒(2019年)を樹立したスプリンター、ニコラス・ポールの出身国はどこ?
ニコラス・ポールはカリブ海の島国トリニダード・トバゴ出身のスプリンターで、2019年パナメリカン選手権で9.100秒という驚異的な世界記録を打ち立てた。同地域は陸上短距離の強豪国が多いが、自転車競技でもポールの台頭によって注目を集めた。記録はメキシコ・アグアスカリエンテスの高地バンクで樹立され、空気密度が低い環境とポール自身の高出力が相まって世界最速タイムが生まれた。ジャマイカと混同されやすいが国旗の色や歴史が異なる。
Q8 : オリンピックの男子チームパシュートは1チーム何人編成で行われるか?
チームパシュートは4 kmを4人が交代しながら走り、3番目にフィニッシュした選手のタイムで計測される。1960年代は男子4人・女子3人など複数のレギュレーションが存在したが、1990年代以降UCI規則が整理され、現在のオリンピックでは男子も女子も4人編成に統一された。4人編成により空力効果を極大化しつつ、終盤に1人を犠牲にして速度を上げる戦術が可能になる。6人制や3人制はジュニアカテゴリーや歴史的参考値であり、現行五輪規格には含まれない。
Q9 : オリンピックで実施されるトラック種目「オムニアム」は、現在何つのレースの総合成績で順位が決まるか?
オムニアムは2010年に登場した当初は6種目構成だったが、競技時間の短縮と観客への分かりやすさを目的に2016年規則改訂で4種目に簡素化された。スクラッチ、テンポ、エリミネーション、ポイントレースの4レースを同一日に行い、獲得ポイントの合計で最終順位が決まるため、現在は「4つ」が正解となる。かつての6種目制と混同しやすい点が中級者泣かせで、ルール改正を把握しているかが問われる。
Q10 : 国際自転車競技連合(UCI)がエリート大会用として標準採用している屋内木製バンクのトラック長はどれ?
UCIは1990年代後半から国際大会の統一規格として250 mの屋内木製トラックを推奨し、世界選手権や五輪を開催する際は原則250 mで設計するよう定めている。333 mや400 mのセメントバンクは旧来の屋外施設に多いが、国際記録公認のためには250 mで測定されたタイムでなければならない。200 mトラックは短すぎて国際大会では用いられず、銀行角設計も異なるためトップ選手の高速域走行に適さない。したがって正解は250 mである。
まとめ
いかがでしたか? 今回はトラックサイクリングクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はトラックサイクリングクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。