クレー射撃(トラップ)は、飛び交うクレーを銃で撃ち落とすスリリングなスポーツです。的中率を上げるには、迅速な反応力と正確な射撃技術が不可欠です。本記事では、ISSFルールに準拠したトラップ競技の様々な側面について解説します。クレーの直径や散弾重量、トラップマシンの設置など、ルール上の細かな仕様から競技の歴史、男女の区分まで、トラップ射撃の奥深さを10問のクイズを通して紹介します。クレー射撃の魅力を存分に感じていただければ幸いです。
Q1 : オリンピック・トラップでクレーが左右に振られる水平角度の最大値は?
ISSFのトラップルールではクレーの水平発射角度はセンターラインから左右それぞれ最大45度までと規定される。競技用トレンチ内の15台のマシンがランダムに選択され、角度・高さ・速度を組み合わせて多様な飛翔を作り出す。±45°という広い振り幅により、選手は射台によってはほぼ真横に近い速いクレーを迎え撃つ必要があり、高い追随能力が要求される。角度を制限しないと左右の難易度に大きな差が生じる恐れがあり、±45°という上限で公平性と競技性のバランスを取っている。
Q2 : 国際大会で選手がクレー放出を要求するときに発する合図は?
トラップ射撃では射手が準備完了したことを示す掛け声として英語の“Pull”が伝統的に使われる。もとは手動機械のロープ(プルロープ)を引いてクレーを発射させていた時代の名残で、「引け」という意味が現在まで残った。電子開放式のスイッチや音声感知システムが導入された現代でも、世界共通の慣例として“Pull”が採用される。国際大会では言語の違いによる誤作動を防ぐため、他の言葉や母国語の掛け声は認められず、審判もこれを基準に音声感知装置の感度を調整している。
Q3 : 国際射撃連盟(ISSF)主催の世界選手権でトラップ種目が初めて実施された年は?
ISSF世界選手権(当時はUIT)は1929年モナコ・モンテカルロ大会で初めてトラップ種目を公式採用した。これ以前にも国際的なクレー射撃大会は各国で行われていたが、正式な世界選手権種目として認められたのは1929年が最初である。以後、第二次大戦による一時中断を挟みながらも継続開催され、技術革新やルール改定の場として機能してきた。1929年大会の参加国は主に欧州で、当時は手動トラップが主流だったが、この年を起点に自動化や統一規格が急速に進み、現在の近代的な競技形態の礎となった。
Q4 : オリンピックでトラップが男女別種目として分離された最初の大会は?
オリンピックのクレー射撃は長らく男女混合で行われていたが、1996年アトランタ大会から男女別表彰が導入された。1992年バルセロナ大会では依然混合で、女子選手の金メダリストが誕生したことが議論を呼び、男女の公平な競技機会を確保するため分離が決定された。1996年以降は男子トラップと女子トラップがそれぞれ独立種目となり、射撃界におけるジェンダー平等の流れを加速させた。同時に射程やクレー数などは男女共通規格とされ、技能の純粋な比較が行える形となっている。
Q5 : ISSFトラップで使用できる散弾の一粒あたりの最大直径は?
散弾一粒の直径は環境保護と安全性の観点から2.6mm以下と規定されている。これは英番手でおおよそ7 1/2号に相当し、これより大きい粒径は危険距離が伸び、鉛の総質量も増えるため禁止されている。直径制限により適切な散布密度が確保され、ターゲット破砕に必要な最小エネルギーを保ちつつ過剰な破片飛散を防ぐ効果がある。大会会場では弾薬チェック係がサンプルをカッターで切断し、粒をノギスで測定することでルール違反を防止している。規格外が発覚した場合は失格となるため、選手はメーカーのISSF公認弾を用いるのが一般的だ。
Q6 : オリンピック・トラップ射面のトレンチ(射出溝)に設置されるクレーマシンの台数は?
オリンピック・トラップでは射台前に掘られたトレンチ内に15台のクレーマシンが設置される。各射台に対して3台ずつ割り当てられ、左右角度や高さの異なる設定が組み込まれている。電子制御により射手ごとにランダムで1台が選ばれ、多様な飛翔パターンが生成される仕組みだ。15台構成は効率とバリエーションを両立させる最小単位として国際的に採用され、機械の整備作業や交換時間も考慮された最適解とされている。これにより選手は予測の難しい角度・速度に対処しなければならず、反射神経だけでなく読みの力も競われる高度な競技性が生まれている。
Q7 : ISSFトラップ射撃で使用される公式クレーの直径規格は何mmか?
ISSFルールではトラップとスキートの両方で直径110±1mmのクレーを用いると明記されている。質量は105g±5g、厚さは25〜26mmで、色は背景とのコントラストを考慮してオレンジやブラックなどが選定される。直径が変わると回転数や空気抵抗が大きく変化し、飛翔距離や変化量が安定しないため、国際大会では主催者がロットごとに寸法を測定し規格適合を確認する。規格化により世界中どこでも同じ条件で記録を比較でき、用具による有利不利をなくすことが目的である。
Q8 : オリンピック・トラップ競技では1ラウンドで何枚のクレーを射撃する?
トラップ競技は5射台を時計回りに移動しながら25枚を撃つ構成が基本となる。公式試合では予選が通常75枚または125枚、決勝ラウンドはさらに25枚という形式が多い。25という枚数は射手が各射台で5枚ずつ撃つときに区切りがよく、進行管理が容易なため伝統的に採用されてきた。15枚や20枚では射台間のローテーションが不均等になり、30枚では時間がかかり過ぎる。したがって国際ルールや国内公式戦を通じて25枚が標準ラウンドとして定着している。
Q9 : ISSF規定でトラップ射撃に用いる散弾の最大装弾重量は何グラムか?
ISSFは2005年に環境負荷と反動軽減を目的として散弾重量の上限を24g(許容誤差+0.5g)に引き下げた。かつては28gまで認められていたが、鉛量削減と競技者の体への負担軽減、反動差による有利不利の排除が課題となり改定された。重量が軽くなると弾速は上がる一方、ペレット数が減るため中心射撃精度がより求められる。24g弾は現在、ワールドカップやオリンピックなどすべてのISSF主催大会で必須となり、国内連盟も同規格を踏襲している。
Q10 : トラップ射撃の射台(スタンド)は1ラウンドにいくつ並んでいる?
正式トラップ射面には射手が立つスタンドが横一線に5か所設置されている。選手は各射台で5枚ずつ撃ち、合図とともに次の射台へ移動して計25枚を消化する。5という数はクレーマシンが配置される15枚の放出口(3台×5ポジション)との対応が取りやすく、クレーの角度や高さが公平に割り振れる利点がある。7台や9台では競技時間が長くなるうえ機械配置も複雑化するため採用されていない。射台ごとに背景や風向きが微妙に異なるため、順次ローテーションすることで総合的な適応力が試される設計となっている。
まとめ
いかがでしたか? 今回はクレー射撃(トラップ)クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はクレー射撃(トラップ)クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。