ライフル射撃は、ターゲットまでの距離や弾丸の特性、姿勢の微妙な変化がスコアに直結する精密な競技です。オリンピックなどの国際大会では、国際射撃連盟(ISSF)のルールに則り、10mエアライフルや50mライフル三姿勢などの種目が行われます。射程距離や弾丸の口径、ターゲットサイズなど、様々な決まりの中で選手たちが最高の集中力と技術を発揮します。本記事では、ライフル射撃の基本ルールや競技用具、用語といった知識を深めるクイズを10問ご用意しました。射撃競技の奥深さを楽しみながら、ぜひチャレンジしてみてください。
Q1 : ライフル射撃用語で『ゼロイン』とは何を調整する作業か? トリガープルの調整 照準の着弾位置 銃身クリーニング 銃床長さ調整
ゼロイン(ゼロ調整)は照準器のクリックを操作して狙点と実際の着弾点を一致させる工程を指す。弾速や気温、照明条件が変わると着弾が上下左右に移動するため、試合前の試射で微調整しなければならない。トリガープル調整や銃身清掃、銃床長の変更は別の整備作業でゼロインとは呼ばれない。正確なゼロが取れていないと、フォームが完璧でも弾は的の中心を外す。ライフル競技では気圧・光線・弾ロット差を考慮し、1クリック0.1〜0.2mm単位で照準設定を追い込むことで高得点を安定して重ねることができる。
Q2 : 日本ライフル射撃協会の公式英語略称として正しいものはどれか? JRAU NRAJ JRSA JSG
NRAJはNippon Rifle Association of Japanの略で、公益社団法人日本ライフル射撃協会の公式英語名として採用されている団体略称である。NRAJはISSF加盟国連盟として国内のライフル・ピストル・クレー競技を統括し、オリンピック代表選考や国内大会開催、ルールの翻訳・普及、人材養成を行う。似た文字列のJRSAやJSGは別団体か架空であり、本協会とは無関係である。競技者登録や銃所持許可更新に関わる講習もNRAJの認定下で実施されるため、射撃選手にとって不可欠な組織である。
Q3 : オリンピック規定(東京2020以降)で50mライフル三姿勢の予選で1人が撃つ総弾数は何発か? 60発 80発 120発 140発
東京2020大会以降、ISSFは男女平等化の一環として50mライフル三姿勢の発射数を男女とも立射40発・伏射40発・膝射40発の合計120発に統一した。以前は男子120発、女子60発だったが改訂で差が解消された。120発を約2時間以内で撃ち切る長丁場は体力と集中力が試され、途中で姿勢を切り替える度にサイト設定や呼吸リズムを調整する必要がある。予選通過上位8名だけが決勝へ進むため、この120発の安定度がメダル争いの前提条件となる。
Q4 : 次の競技のうち、公式ターゲットの10点円の直径が最も小さいものはどれか? 10mエアライフル 50mライフル伏射 300mライフル 50mライフル三姿勢
10mエアライフルの紙標的では10点円の直径がわずか0.5mmと極小で、電子標的でも同等のセンサー範囲で採点される。50mや300mのライフル競技は距離が長いぶんリングが大きく設計されており、10点円だけでも数mmから数cmある。空気銃弾は軽量で風に影響されやすいが、屋内10mという環境で極限の精密射撃を競うため、リングは最小になっている。10mではさらに小数点採点で10.9まで評価され、0.1点単位の差で順位が入れ替わるため、最も高い精密性が要求される。
Q5 : ISSFルールで50mライフル競技に使用する小口径ライフル(.22LR)の銃と付属品を含む最大重量制限はいくつか? 6.5kg 7.0kg 7.5kg 8.0kg
小口径ライフル競技では銃本体に加えてサイト、バランサー、ハンドストップなどすべて装着した状態で8.0kgを超えてはならないとISSFルールで規定されている。重量が重いほど反動やブレを抑えられる利点があるが、体格差が競技成績に過度に影響しないよう上限が設けられている。射手は立・伏・膝射すべてで同一銃を使用するため、8kg以内で最適なバランスを探り、ウエイト位置や銃床の長さを微調整する。大会前後には公式計量が行われ、超過すると即失格となるため注意が必要である。
Q6 : 射座に入る際、銃身を貫いて薬室が空であることを示すために差し込む器具の名称として正しいのはどれか? ボアフラッグ セイフティフラッグ チャンバーオープナー イジェクタースティック
ISSF公式ルールでは射撃位置に銃を持ち込む際、銃身から薬室まで貫通させる蛍光色の樹脂製テープを装着した『セイフティフラッグ』を必ず挿入し、安全を確認しなければならない。日本語では安全旗と呼ばれ、休止時間中や移動時も抜いてはいけない。フラッグが入らない銃は競技に使用できず、審判は常に挿入有無を監視する。ボアフラッグという呼称もあるが、公式文書ではSafety Flagが正式。誤って実包が装填されたままの事故を防ぐため、全選手共通の最重要安全手順となっている。
Q7 : 膝射姿勢で、後ろ足首の下に置き姿勢を安定させる公認補助具はどれか? シューティングマット バイポッド 膝当てロール リアレスト
膝射では後ろ足首の角度を保持し体重を脛と膝に分散させるため、円筒形のクッション『膝当てロール(kneeling roll)』を使用できる。材質は柔らかい布袋に詰め物を入れたもので、寸法や硬度はISSFで細かく規格化され、過度な高さや変形は違反となる。膝当てロール以外の支柱的補助具やバイポッド、リアレストはライフル競技では使用禁止で、シューティングマットは敷くだけで支持に使えない。ロールの適切な使用により骨格支持を強化し、ブレを最小限に抑えることが高得点につながる。
Q8 : ISSFエアライフル競技の射距離は何mと規定されているか? 10m 15m 25m 50m
エアライフル競技は射座からターゲット面までの水平距離を正確に10m(許容誤差±5mm)と定めており、屋内射場で実施される。15mや25mはピストル練習距離、50mは小口径ライフル競技の距離であってエアライフルには用いない。10mという設定は空気銃ペレットの初速や弾道特性、屋内での風影響を考慮して歴史的に確立された。距離が固定される一方で10点円は0.5mmと極小なため、わずかな姿勢の乱れや光量変化が直ちに得点へ反映される。選手はゼロインとフォームを緻密に仕上げ、1発ごとに最大10.9点を狙う。
Q9 : オリンピックの10mエアライフル競技で使用される鉛製ペレット弾の直径はどれか? 4.5mm 5.5mm 6.0mm 4.0mm
10mエアライフルで使われる弾はエアガン用の鉛製ペレットで、口径は.177インチに相当する4.5mmが国際射撃連盟(ISSF)で統一されている。大きさが変わると銃身やターゲット規格と合わなくなるため、競技用の弾は必ず4.5mmを守らなければならない。弾重は0.45〜0.55g程度で、空気圧で秒速150m前後に発射される。狙点中心の10点円は直径0.5mmしかないため、このわずかな誤差が得点に直結する。したがって口径の統一は公正さと精密性を両立させるために不可欠である。
Q10 : ISSFの50mライフル三姿勢競技で射手が行う姿勢に含まれないものはどれか? 立射 伏射 膝射 座射
50mライフル三姿勢は立射・伏射・膝射の3姿勢で構成され、各40発ずつ撃つ。椅子に腰掛ける座射はパラ射撃など特殊なカテゴリーを除きISSFの一般競技には含まれない。座射が許されると上体が安定しすぎるため難易度が低下し、3姿勢それぞれが持つバランス・呼吸・筋力の調整という競技価値が損なわれる。立射は最も難しく得点差が大きく出るため、三姿勢では各姿勢ごとの技術的特徴がルール上重要視されている。
まとめ
いかがでしたか? 今回はライフル射撃クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はライフル射撃クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。