クロスボウ射撃は、中世から続く歴史ある競技です。現代のクロスボウは、高精度で安全性の高い機器として進化を遂げています。この記事では、国際クロスボウ射撃連盟(IAU)が定める競技ルールに基づいた10問のクイズを通して、クロスボウ射撃の魅力や最新の動向について掘り下げていきます。クロスボウ愛好家はもちろん、スポーツファンの方々にも興味深い内容となっています。
Q1 : IAUマッチクロスボウで競技用ボルトに許可されている矢尻の形状は?
IAU競技で使用できるボルトの矢尻は、射撃標的を損傷しにくいよう先端が丸く滑らかな弾頭形(ブレットポイント)に限定されている。狩猟用のブロードヘッドは刃が付いており危険、ブラントは小動物用で衝撃が強すぎ、フィールドポイントは尖っているため標的バックストップを貫通しやすい。これらは競技規則で禁止されている。従って選択肢3のブレットポイントが正解となる。
Q2 : クロスボウを装填した後、射撃ラインにつくまで常に操作しておくべき安全装置はどれ?
クロスボウには暴発を防ぐため、ライフル同様のセーフティレバー(安全装置)が備えられている。IAUおよび各国連盟の競技規則では、ボルトを装填してから射手が射撃姿勢に入る直前まで、必ずセーフティを“SAFE”位置に保つことが義務づけられている。スリングは保持補助具、ボルトクリップは携行用、バヨネットはそもそもクロスボウには装着しない。したがって常時操作すべき安全装置は選択肢4のセーフティレバーである。
Q3 : IAUマッチクロスボウで規定されている最大ドロウウェイト(弓張力)の上限は何ポンド?
IAU競技規則では、マッチクロスボウのドロウウェイトは最大95ポンド(約43kg)までに制限されている。これ以上強い弓力にするとボルト初速が過度に高くなり、騒音やバックストップへの負荷、安全性の面で問題が生じるためだ。110lb以上の弓はフィールドやハンティング向けの機種が中心で、競技会に持ち込むと計量・計測で失格となる。従って上限値を正しく示しているのは1の95lbのみである。
Q4 : クロスボウをコッキングする際、射手が足を掛けて本体を固定する部品の名称は?
弓弦を引くときに本体が持ち上がらないよう、射手は先端の環状金具にブーツを差し込み体重で押さえる。この金具はフットストラップまたはフットスティラップと呼ばれ、中世の弓にも現代競技用にも共通する重要なパーツである。トリガーガードは引き金保護部、スコープレールは照準器装着部、ブリッジはレール上面の呼称であり、いずれも足を掛ける用途ではない。したがって正解は2となる。
Q5 : IAU10mマッチクロスボウで使用される標的の10点圏(最高得点リング)の直径は?
IAUの10mマッチはISSFエアライフル用標的を流用するため、中心の10点リングは直径0.5mm(半径0.25mm)と極めて小さい。これは高精度な銃器レベルの命中精度を前提にルールが作られているためで、クロスボウでも同じ厳しい基準が適用される。15mmや10mmはアーチェリーやエアピストルの外側リング寸法、5mmは古いローカルルールの値で正式ではない。従って選択肢3が正解である。
Q6 : IAUマッチクロスボウのボルトに規定されている羽根(ベイン)の本数は?
マッチクロスボウのボルトは、飛翔時の安定性を確保するために長さ20〜25mm程度の薄いプラスチックベインを4枚、90度間隔で取り付けることが規則で定められている。4枚とすることで回転バランスが均一になり、狭いボルトガイドレールを通過する際にもクリアランスが確保される。アーチェリーで一般的な3枚や2枚、あるいは無羽根では空力が不安定となり命中精度が低下するため、競技では認められない。よって正解は4である。
Q7 : 競技用クロスボウの弦素材として最も一般的に用いられ、IAUでも許可されているポリエステル系の商標名は?
マッチクロスボウの弦には伸びが少なく耐摩耗性に優れたポリエステル長繊維『ダクロン』が伝統的に使われている。ダクロンはデュポン社の登録商標で、耐水性と耐紫外線性にも優れ、競技用弦の定番素材となっている。天然麻は伸びが大きく湿度の影響を受けやすい。カーボンファイバーは撚糸が難しく弦には不向き、一般的なナイロンも摩耗や紫外線劣化が速いため競技では推奨されない。従ってダクロンを示す選択肢2が正解である。
Q8 : IAU競技規則で定められたクロスボウのトリガープル(引き金が落ちる最小荷重)の下限値は?
過度に軽いトリガーは意図しない発射を招くため、IAUはトリガープルを最低500g以上と規定している。大会では計測装置にクロスボウを載せ、重量錘を掛けて検査を行う。500gに満たない場合は射場に持ち込めず、競技前に調整を命じられる。射手の安全はもちろん周囲の選手・審判の保護という観点からも重要な数値であり、100〜300gは精密ライフルのカスタム値としては存在するが、クロスボウ競技では認められない。したがって正解は4である。
Q9 : クロスボウ競技の国際統括団体「IAU」の正式英語名称はどれ?
IAUは1960年代に設立されたクロスボウ射撃の国際連盟で、正式名称はInternational Crossbow Shooting Union(International Crossbow-shooting Unionと表記されることもある)。同連盟は世界選手権の主催、用具規格、安全基準、10mおよび30mマッチの競技ルール策定を担当する。選択肢2のArchery Unionは世界アーチェリー連盟(WA)の旧称を混同させたもので、クロスボウとは別組織。Armbrust Associationや陸上競技連盟はクロスボウ射撃とは無関係であり、正解は1のみである。
Q10 : IAU屋内マッチクロスボウ競技で、標的までの公式距離は何メートル?
IAUの室内マッチクロスボウ競技はエアライフルと同じ10mを公式距離として採用している。射撃姿勢はスタンディングのみで、10m先に設置されたエアライフル用標的盤を使用し、ボルトは0.22口径のブレットポイント付きアルミ軸を用いる。18mはアーチェリーのインドアラウンド、25mはライフルやピストル、50mはフィールドクロスボウなど別種目の距離であるため誤り。したがって正解は2の10mである。
まとめ
いかがでしたか? 今回はクロスボウ射撃クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はクロスボウ射撃クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。