サンボは、かつて旧ソ連の軍隊や治安機関で研究された各種の格闘技を統合した競技です。1938年に正式な国家スポーツとして承認され、以降ソ連の軍学校や一般のスポーツクラブに一斉に導入されるようになりました。サンボには、投げ技やレスリング、柔術、打撃技などが含まれ、実戦的な総合格闘技としても認められています。近年では、国際オリンピック委員会からも一時的な承認を受け、今後のオリンピック種目入りが期待されています。本記事では、このユニークな武術の歴史や特徴について、10問のクイズを通じて紹介していきます。
Q1 : 国際サンボ連盟(FIAS)の現在の本部所在地として正しい都市はどれか?
FIASは長年モスクワを拠点としていたが、国際オリンピック委員会との連携を強化し、欧州のスポーツ連盟が集まる環境を求めて2021年にスイス・ローザンヌに本部を移転した。ローザンヌにはIOC本部や多くの国際競技連盟が集結しており、オリンピック種目入りを目指す競技が情報交換やロビー活動を行うには最適の立地である。モスクワにも業務施設は残っているが、登記上と公式文書に記載される本部都市はローザンヌに改められている。
Q2 : サンボの公式ユニフォームで、柔道着の上衣に相当する赤または青の専用上衣を何と呼ぶか?
サンボのユニフォームは上衣のクルカ、ショーツ、レスリングシューズで構成される。クルカは厚い帆布製のジャケットで、袖や襟をつかんで投げ技を掛ける点は柔道着に近いが、左右どちらでも帯を締められる非対称なデザインを採用している。公式戦では赤と青の二色が定められ、選手ごとに色分けして視認性を向上させると同時に、審判が得点を判別しやすくする役割も担う。色違いのクルカはサンボのアイデンティティを象徴する重要な要素だ。
Q3 : サンボの試合で、背中から相手を完全に投げ落とし自分は立ったままの状態を保った場合に与えられる最高得点は何点?
スポーツサンボにおける最高得点は4点である。相手の背部全体をマットに叩きつけ、自分は立ったまま制止する『クリーン投げ』が該当し、この得点が宣告されると試合はその場で終了する。大技による一本勝ちを奨励するルールであり、選手は豪快な投げを狙って積極的に攻撃を仕掛ける。2点は部分的な背着地、8点や10点といった区分は存在しないため、4点が唯一の最高評価となる。
Q4 : サンボ世界選手権大会が初開催された年はいつか?
サンボ世界選手権は1973年にイランのテヘランで第1回大会が催された。東西冷戦下でソビエト連邦が競技を国際舞台に展開する狙いから実現し、初年度はソ連が多数の階級を制覇したもののモンゴル、ブルガリアなど社会主義圏の国々もメダルを獲得した。以後毎年開催される恒例行事となり、階級区分や試合時間などのルールは改訂を重ねながらも、この1973年大会が世界選手権の出発点であることは各国連盟の公式資料に明記されている。
Q5 : 元サンボ世界王者で、総合格闘技PRIDEヘビー級で長期無敗を記録したロシア人ファイターは誰か?
エメリヤーエンコ・ヒョードルは2002年にサンボ世界選手権で優勝し、その後PRIDEヘビー級王者として31戦無敗の伝説を築いた人物である。サンボ特有の爆発的な投げと足関節技、強靭なグラウンドポジション制圧を武器に、アントニオ・ノゲイラやミルコ・クロコップら世界トップのファイターを次々撃破した。冷静沈着な態度と強さから『ラストエンペラー』と称され、サンボの技術が総合格闘技で通用することを世界に証明した代表的存在として知られている。
Q6 : 柔道では禁止されているが、サンボでは認められている技術として代表的なものはどれか?
サンボではヒールフックや膝十字固めなどの足関節技が許可されており、試合では脚を狙った攻防が非常に活発に行われる。一方、柔道は安全性の観点から足関節を極める技を全面禁止としているため、この点が両競技のもっとも大きな技術的相違になる。サンボ出身の選手が総合格闘技で脚攻めを得意とするのはこの背景による。内股や背負い投げ、大外刈といった投げ技は両競技ともに認められており、禁止技ではない。
Q7 : 2021年、国際オリンピック委員会(IOC)がサンボに付与したステータスとして正しいものはどれか?
IOCは2021年に国際サンボ連盟に対し3年間の期限付きで一時的承認を与えた。これは競技団体の統治構造やドーピング防止体制がオリンピック憲章に適合しているかを評価するプロセスで、承認期間中に要件を満たせば将来的に正式競技への道が開かれる。現時点で五輪メダルや出場枠は用意されていないが、IOC公認大会への参加資格や資金援助を得られるため競技普及に追い風となる。未承認ではなく、また正式採用とも異なる中間段階に位置する。
Q8 : サンボが旧ソビエト連邦のスポーツ省によって正式に国家スポーツとして承認され、名称が統一されたのは何年?
サンボは1920年代から旧ソ連軍や内務人民委員部で研究されていた各種格闘術を統合した競技である。1938年11月、ソビエト連邦体育スポーツ委員会が国家公式競技として承認し、統一名称サンボを制定した。この決定により軍学校や一般のスポーツクラブへ一斉に導入され、技術体系やルールも国として整理された。1940年代以降の資料にも1938年承認を根拠とする記述が繰り返し確認できるため、現在は1938年が正式な誕生年とされている。
Q9 : サンボという名称の由来となったロシア語の頭字語はどれか?
サンボの正式名称はロシア語で『武器を持たない護身術』を意味するサモザシータ・ベズ・オルージヤで、その頭文字を取ってSAMBOと表記される。ソビエト軍や治安機関で徒手格闘を表す専門用語として使用され、後にスポーツ競技として独立してからも名称が継続された。他の選択肢は実在しない造語であり、語義も文法も正しくない。名称の由来を知ることで、サンボが自己防衛を重視して生まれた背景が理解できる。
Q10 : スポーツサンボと並び、打撃や護身技を含む実戦形式として公認されているサンボの流派は何と呼ばれる?
サンボには競技会で広く行われるスポーツサンボと、軍隊や警察の近接戦闘を想定して打撃・絞め技・武装解除などを取り入れたコンバットサンボの二系統が存在する。コンバットサンボでは拳や肘膝の打撃が許可され、防具を装着してナイフや銃器を奪うシナリオも競技課題となるため、より実戦的な総合格闘技として位置づけられる。フリースタイルやコマンドという名称は一部クラブの愛称に過ぎず、公的ルールとして定められた流派名はコンバットサンボだけである。
まとめ
いかがでしたか? 今回はサンボクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はサンボクイズを出題しました。
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次回のクイズもお楽しみに。