テコンドーは韓国に由来する格闘技であり、1988年のソウル五輪と1992年のバルセロナ五輪で公開競技として紹介されて人気を博しました。2000年のシドニー五輪から正式競技に昇格し、以来すべての夏季五輪で行われています。世界テコンドー連盟はソウルに本部を置き、競技ルールの統一や審判・指導者の育成などを行っています。本記事では、テコンドーに関する10問のクイズをお届けします。
Q1 : プンセ「太極3章」が象徴する自然の要素は何か?
太極プンセは陰陽八卦の哲理を動作化したもので、各章はトグラム(卦)に結び付けられている。太極3章は三陽二陰の離卦に対応し、離は火・太陽・光明を象徴する。演武では立ち姿や蹴りの方向が上下左右に広がり、燃え上がる炎の勢いと輝きを表現するよう構成されている。学習段階としては回し蹴りや横突きなど新たな技が加わり、よりダイナミックな身体操作を習得する。火の性質は情熱や前向きさを示すとされ、修練者が自分の技量を積極的に外へ発散する心構えを養う目的も込められている。
Q2 : 韓国語で돌려차기(トルリョチャギ)と呼ばれる代表的な蹴りは日本語で一般的にどう訳されるか?
돌려차기は相手の胴や側頭部を外側から内側へ弧を描いて蹴る技で、英語ではRoundhouse Kickと表記される。日本の格闘技界では回し蹴りという呼称が定着しており、空手の回し蹴りと基本的な軌道は似るが、テコンドーでは振り抜きながら膝を折りたたむことで素早く復帰する点や、足の甲だけでなく足底や踵を使い分ける点が特徴である。試合ではセンサーが入った胴プロテクターに対して正確に当てやすく、スピードと回転力を兼ね備えた主力技として最も多用される。フォーム練習やミット練習でも習得初期から頻繁に稽古される基本蹴りである。
Q3 : WT公式大会で使用される競技エリア(一辺)の標準サイズはおおむね何メートルか?
WT主催大会では試合区域は正方形で、コートの内側が8メートル×8メートルと規定されている。これに安全エリアとして外周1メートルを足した10メートル四方のマットが敷かれるのが一般的だ。8メートルという距離は選手がスピーディに攻防を展開するのに充分な広さでありながら、逃げ回るだけの戦術が成立しにくい絶妙なサイズとして設定されている。サイズが統一されていることで世界中の道場で同じ感覚を培うことができ、テレビ中継でも視認性が確保されるメリットがある。また電子ソックスやビデオ判定機器の配置もこの寸法を基準に開発されている。
Q4 : WTルールの組手で手による有効攻撃として認められているのはどれか?
WTルールでは安全性の観点からパンチによる頭部攻撃は禁止されており、正拳で胴部をストレートに突く攻撃のみが認められる。手刀や裏拳、掌底などは技として存在するが、試合では得点にならずむしろ警告の対象となることが多い。正拳突きの得点は1点だが、蹴りと異なりセンサーで自動判定されないため、審判3名の目視で有効かどうかが決定する。選手は距離を詰めた瞬間に鋭く突き、相手の体勢を崩して直後の蹴りにつなげるなど戦術的に活用する。胴体に対してのみ許容されている理由は、顔面の負傷リスクを最小限に抑え、蹴り技主体というテコンドーの特色を守るためである。
Q5 : 試合や稽古の開始・終了の際に用いられる掛け声「キョンネ」はどのような動作を指すか?
韓国語で敬礼を意味するキョンネは、道場に入る際や師範・対戦相手に対して礼を示す基本動作である。試合では主審がチャリョ(気をつけ)と号令をかけた後にキョンネを命じ、選手は上体を約30度前傾させて礼を行う。礼は単なる形式ではなく、武道としての礼節と相手への敬意、安全確認の意識を共有する重要な儀式とされる。プンセ競技や昇段審査でも演武前後に必ずキョンネを行い、心身を整える役割を果たす。国際大会では文化の違いを超えて共通するジェスチャーとして機能し、選手・審判・観客が互いの存在をリスペクトする象徴となっている。
Q6 : プンセ「太極6章」が象徴する自然の要素は何か?
太極6章は陰陽八卦の坎卦に対応し、坎は水・流動性・深淵を象徴する。プンセの動作では高低差を生かした上下運動や体の捻りが多く、絶えず形を変えつつも一定方向に流れる水の性質を体現している。習得段階としては高難度の蹴りや連続技が導入され、体幹の柔軟性とリズム感が不可欠となる。水は柔らかさと同時に岩をも穿つ強さを秘めるとされ、修練者にしなやかさと粘り強さを求めるメッセージが込められている。太極1章から積み重ねた技術を統合し、変化に適応しながらも途切れない流れを保つことが太極6章のテーマであり、段位昇格に向けた重要なマイルストーンとなる。
Q7 : テコンドーが公式競技として初めて実施された夏季オリンピックは次のうちどれか?
テコンドーは1988年ソウル大会と1992年バルセロナ大会で公開競技として紹介され、その人気と国際的広がりを示した。正式競技としてメダルが授与されたのは2000年のシドニー大会が最初であり、この大会から男女4階級ずつが実施されている。正式競技化により世界テコンドー連盟のルールがIOCに承認され、競技用防具やポイントシステムも統一された。以来すべての夏季五輪でテコンドーは公式種目を維持し、世界中の選手育成に大きな影響を与えている。
Q8 : 世界テコンドー連盟(WT)の本部が置かれている都市はどこか?
世界テコンドー連盟は1973年に設立され、韓国の首都ソウルに本部を構えている。韓国はテコンドー発祥国であり、組織の中心をソウルに置くことで国内外への普及活動や審判・指導者の教育を効率的に実施してきた。ソウルの本部には最新の電光スコアシステムの研究施設や国際会議場が備えられ、各国協会とのオンライン連携も行われている。WTはオリンピック競技の主管団体としてルール改定やランキング運営を行い、ソウルから世界中の道場と大会を統括している。
Q9 : 一般的なテコンドーの級位制度で、黒帯の直前に位置する帯色はどれか?
多くの道場で採用される世界テコンドー連盟系のカラーベルト順序は白・黄・黄緑・緑・緑青・青・青赤・赤・赤黒のように進み、赤帯系が黒帯(有段者)への最終段階とされる。赤帯は熟練を示すと同時に危険を警告する色とも解釈され、技の威力が増す段階であることを象徴する。黒帯に進むためにはプンセや組手、用語筆記試験など総合的な審査を受ける必要があり、赤帯時代に正確な基本技と礼節を固めることが重視される。帯色は流派や国によって多少差異があるが、黒帯の前が赤帯という構成は世界的に広く認知されている。
Q10 : WT競技ルールで最も高い得点が与えられる蹴りはどれか?
現行のWTルールでは攻撃部位と技の難易度に応じてポイントが加算される。胴部への通常蹴りが2点、胴部への回転蹴りが4点、頭部への通常蹴りが3点と定められているが、回転動作を伴って頭部を正確に蹴った場合は5点が与えられ、最も高い。回転動作は視界から外れやすく防御が困難なうえ、バランスを崩すリスクも高いため、高度な技術とタイミングが要求される。高得点を狙いにいく一方で空振りすると反撃を受けやすいので、試合ではここ一番の局面で使用されることが多い。
まとめ
いかがでしたか? 今回はテコンドークイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はテコンドークイズを出題しました。
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次回のクイズもお楽しみに。