カポエイラは、ブラジルで発展した格闘舞踊芸術です。音楽と動きを通してアフリカの伝統と植民地時代の歴史が融合し、今日では世界中で愛されています。本記事では、この独特の文化を理解するためのクイズを10問ご紹介します。カポエイラの歴史、楽器、テクニックなど、さまざまな側面に迫ります。カポエイラに詳しい方も、初めて聞く方も、この機会にぜひ自分の知識を確認してみてください。
Q1 : メイア・ルーア・ジ・コンパッソは主にどの部分で相手を打つ蹴り技か?
メイア・ルーア・ジ・コンパッソは円月蹴り系統の代表技で、体を前傾させながら後ろ足を振り子のように回し、遠心力を最大化してかかとで相手の顔面や側頭部を狙う。上体を地面近くまで下げて片手または両手を支点にし、視線を外さずに回転するのが特徴。かかとが当たる瞬間には体幹が伸びきるため威力が高いが、バランスを崩しやすいため軌跡の角度と踏み替えのリズムが重要で、防御側は頭を外軌道へ逃がしてよける。
Q2 : ブラジル刑法からカポエイラ禁止条項が削除され合法化されたのは何年か?
1888年に奴隷制が廃止された後もカポエイラは暴徒行為と見なされ、1890年刑法第402条で禁止された。しかし1930年代にメストリ・ビンバが技術を整理し、国家体育として大統領ヴァルガスに披露したことで評価が変わり、1940年ブラジル刑法改正で禁止条項が削除された。これにより公道や学校での練習が可能になり、軍や警察の訓練にも採用されるなど、全国的な普及への道が開かれた。
Q3 : カポエイラのホーダでビリンバウに次いでリズムを支える太鼓はどれか?
アタバキはバントゥー系アフリカ人が伝えた筒形の木胴太鼓で、牛皮を綱締めで張り、膝上に立てて手で叩く。ローダではビリンバウに次ぐリズムの柱として低音を補完し、パンデイロやアゴゴと複層的なポリリズムを作る。カンドンブレなど宗教儀礼でも用いられ、アフロブラジル文化の精神性を象徴する楽器とされる。音量が大きいため屋外ローダで特に効果を発揮し、プレイヤーの動きを鼓舞する。
Q4 : カポエイラで左右に揺れつつ三角形を描いてリズムを刻む基本ステップは何と呼ばれるか?
ジンガは左右の足を交互に引きながら三角形を描く歩法で、攻撃、回避、リズム感のすべてを養うカポエイラの基礎である。固定した立ち構えを持たないカポエイラにおいて、常に動き続けることで相手に軌道を読ませず、同時に自らの重心を感じ取る訓練にもなる。上半身はリラックスさせビリンバウの拍に合わせるが、目線は相手から外さない。あらゆる蹴りやフローをジンガの流れから自然に連結できる点が重要視される。
Q5 : 歴史的に警察の襲撃を警告するために使われたビリンバウのリズムはどれか?
カヴァラリアはポルトガル語で騎兵を意味し、植民地警察が馬でローダを襲撃した時代に見張りがビリンバウで鳴らし緊急退避の合図としたリズムである。通常の曲より鋭い三連符が特徴で、聞いた瞬間にプレイヤーは戦いを止め楽器を隠した。今日では歴史教育のため意図的に演奏されるが、ゲームを中断する習わしが残る。危険を知らせる役目を担ったことでカポエイラコミュニティの結束を強めた象徴的リズムとなっている。
Q6 : カポエイラが発祥したと一般に語られるブラジルの州はどこか?
カポエイラの源流は各地の奴隷居住地に存在したが、史料や口承が最も豊富なのはバイーア州の州都サルヴァドールである。黒人奴隷の逃亡や反乱を恐れた植民地当局がしばしば取り締まりを行ったため、踊りや音楽を装いながら戦闘技術を磨いたと言われる。20世紀にメストリ達が他州へ広めるまでは、バイーアこそがカポエイラ文化の核と見なされていた。
Q7 : ビリンバウを叩いて音を出すために使う細い木の棒は何と呼ばれるか?
ビリンバウは弓形の木に鋼線を張り、共鳴器のひょうたんで増幅する単弦楽器で、演奏時には三つの補助器具を使う。弦を叩く細い木の棒がバケータで、柔らかいがしなりがあり高い打撃音を生む。奏者は左手で石やコインのドブラーンを弦に当てて音程を変え、カシシというシェーカーでリズムを加える。棒の可動域と角度は音強弱を左右し、ビリンバウの表情を決める重要な要素である。
Q8 : カポエイラ・アンゴラの伝統を再興し「カポエイラの父」とも呼ばれる指導者は誰か?
メストリ・パスチーニャは1889年生まれの伝説的指導者で、当時賭博や暴力と結び付けられていたカポエイラを芸術・哲学として再定義し、アンゴラ流派を体系化した人物である。彼はビリンバウ三本体制や低い姿勢を保つ伝統的なゲームを守り、アフロブラジル文化の価値を強調した。メストリ・ビンバが近代化を進めた一方、パスチーニャは精神性と儀礼を護持し、現在もアンゴラ系団体の指針となっている。
Q9 : 新しい生徒が初めてローダに迎え入れられて帯を授与されるカポエイラの儀式は何と呼ばれるか?
バチザードはポルトガル語で洗礼を意味し、新入生が初めてローダで先輩メストリと対戦し帯やニックネームを授かる通過儀礼である。儀式では招待団体や親類も集い、音楽と歌で祝福する。上級者が相手役となり、安全を確保しつつ見せ場を作り出すことで、初心者にカポエイラ共同体への帰属意識を与える。多くの団体ではバチザードは年に一度行われ、同時に昇段式トロカ・ジ・コルダォンも執り行われる。
Q10 : メストリ・ビンバが考案したヘジオナウで最速テンポの代表的リズムはどれか?
サォンベントグランジはメストリ・ビンバが確立したカポエイラ・ヘジオナウの中で最速かつ攻撃的なリズムで、強烈なキックやアクロバットを誘発する。ビリンバウは高音で短く弦を叩き、パンデイロやアタバキが力強いバックビートを重ねる。プレイヤーはジンガの歩幅を広げ、連続的に攻撃を仕掛けることが多いため、受け流しとタイミングが試される。対照的にバンゲーラは中速、イウナは卒業者向けの示範リズムとして位置付けられている。
まとめ
いかがでしたか? 今回はカポエイラクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はカポエイラクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。