植物の不思議な世界を探る!難問に挑戦しよう
植物は目に見えて動かないように見えますが、実は驚くべき特性を持っています。光合成や二次代謝、器官分化など、植物の基本的な仕組みからユニークな特徴まで、探究心をかきたてられるクイズが満載です。植物の不思議な側面に迫る10問の難問に、ぜひチャレンジしてみてください。知識を深めながら、植物の魅力を再発見する良い機会になるはずです。植物の不思議な世界を探検し、思わず”ホント!?”と驚くことでしょう。
Q1 : 樹木の幹や根で二次肥大成長を直接担い、木部と師部を分け隔てながら新しい細胞を生み出す分裂組織はどれか。
維管束形成層は一次木部と一次師部の間に位置する側方分裂組織で、細胞分裂を繰り返して内側に二次木部、外側に二次師部を生成し幹や根を太くする。木栓形成層は表皮側でコルク層を生じる別の分裂組織で、木部や師部そのものではない。木部と師部は形成層の分化産物であり分裂能を持たないため、二次成長を直接担うのは維管束形成層だけである。
Q2 : 植物の窒素同化において、硝酸イオン(NO3-)を亜硝酸イオン(NO2-)へ還元する細胞質酵素はどれか。
硝酸還元酵素はモリブデン酵素で細胞質に存在し、NADHまたはNADPHから電子を受け取り硝酸イオンを亜硝酸イオンに還元する。次いで亜硝酸還元酵素が葉緑体で亜硝酸をアンモニアに還元し、グルタミンシンテターゼ–グルタミン酸シンターゼ系が有機化する。ニトロゲナーゼは窒素固定、グルタミンシンテターゼは同化後段階、ニトリル水解酵素は別経路の酵素である。
Q3 : 赤色光を吸収して活性型に変化し、遠赤色光で元に戻ることで光形態形成を制御する光受容体はどれか。
ファイトクロムは赤色光660nm付近を吸収して活性型Pfrに変化し、遠赤色光730nmで非活性型Prに戻る可逆光受容体で、種子発芽、茎伸長抑制、光周性花成など光形態形成を制御する。クリプトクロムとフォトトロピンは青色光受容体、UVR8はUV-B受容体で赤色・遠赤色変換性を示さないため選択肢の中ではファイトクロムが該当する。
Q4 : 光合成のカルビン回路において、CO2の一次受容体となる化合物はどれか。
リブロース1,5-ビスリン酸(RuBP)は5炭素糖リン酸で、カルビン回路の第一段階で酵素RuBisCOと結合し二酸化炭素を化学的に取り込む役目を果たす。CO2が1分子結合すると炭素数6の不安定中間体となり、すぐに2分子の3-ホスホグリセリン酸に分裂することで還元段階に進む。C4植物で一次受容体になるPEPや、還元段階で得られるG3Pとは機能が異なるため、この化合物が正答となる。
Q5 : 現生で唯一の種のみが属し、裸子植物の中でも独立した系統とされるイチョウが属する綱はどれか。
イチョウは針葉樹などと同じ裸子植物に分類されるが、その形態や胚珠の構造、精子が鞭毛を持つなど独特の特徴から、現生ではただ1科1属1種だけでイチョウ綱を形成する。ソテツ綱やマツ綱はそれぞれ複数種が含まれ、被子植物綱は被子植物全体を指すため誤り。したがってイチョウ綱が正解となる。
Q6 : 世界最大の単一花として知られる植物はどれか。
ラフレシア・アルノルディイはインドネシアなどの熱帯雨林に寄生するウツボカズラ科の植物で、直径1メートルを超え質量10キログラムに達する単一の肉質花を咲かせる。似た名前のアモルフォファルス・チタニウム(ショクダイオオコンニャク)は巨大な花序を形成するが単一花ではない。ウォレミーパインは裸子植物の高木、ビクトリア・アマゾニカは水生スイレンであり最大花ではない。
Q7 : 茎頂優勢を維持し側芽の成長を抑制する役割をもつ植物ホルモンはどれか。
オーキシンは茎頂メリステムで合成され下方に極性輸送されることで側芽の伸長を抑え茎頂優勢を維持する。濃度勾配によってサイトカイニンとのバランスが変化し、側芽が伸長するかどうかが決まる。ジベレリンは伸長成長や発芽促進、アブシジン酸は休眠維持に主に関与するため側芽抑制の直接要因ではない。よってオーキシンが正解。
Q8 : ABCモデルにおいてA遺伝子とB遺伝子が同時に発現したときに形成される花器官はどれか。
花器官分化のABCモデルではA領域のみでがく、AとBの重複領域で花弁、BとCで雄しべ、Cのみで雌しべが決定される。したがってAおよびBクラス遺伝子が同時に働く部分から形成される器官は花弁である。がくはA単独、雄しべはBとC、雌しべはC単独で生じるため選択肢の中で花弁以外は該当しない。
Q9 : C4植物で一般的に観察される「クランツ構造」と呼ばれる組織配置は何を指すか。
C4植物では葉肉細胞でPEPカルボキシラーゼによりCO2がオキサロ酢酸として固定された後、維管束鞘細胞へ輸送されカルビン回路が行われる。この効率的なCO2濃縮機構を支えるのがクランツ構造で、維管束鞘細胞が輪状に配置されその外側を葉肉細胞が囲む同心円状組織を指す。夜間気孔開口はCAM型、アントシアニン蓄積や液胞拡大とは無関係である。
Q10 : 種子の休眠を維持し、ジベレリンと拮抗的に作用する植物ホルモンはどれか。
アブシジン酸(ABA)は低温や乾燥下で合成が促進され、種子たんぱく質の蓄積と休眠維持を誘導する。発芽期にはジベレリンが増加しABAが低下することで休眠が解除されるため、両者は拮抗関係にある。オーキシンやサイトカイニンは成長調節、エチレンは果実成熟や老化促進が主な作用で、休眠維持ホルモンとしては中心的でない。
まとめ
いかがでしたか? 今回は植物難しいクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は植物難しいクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。