体操は誰もが親しめる人気のスポーツですが、その競技ルールや歴史、技術面でも奥深い魅力が隠されています。この記事では、男子体操における特徴的なルールや演技の仕組み、代表選手の逸話など、体操ファンも知らないかもしれない豆知識を10問のクイズにしてご紹介します。体操競技の歴史や競技者の努力を感じていただき、この魅力的なスポーツにさらなる興味を持っていただければ幸いです。
Q1 : 伸身後方宙返り4回ひねり(通称シライ/グエン)に自身の名前が付けられた日本人選手は誰か。
伸身後方宙返り4回ひねりは2013年の世界選手権で白井健三が成功させ、FIGコードにシライ/グエンとして登録されたG難度の大技である。白井は床運動と跳馬で合計6つの技に名前を残しており、特にひねり系の回転速度と滞空時間は世界屈指と評された。内村航平など他のトップ選手も高難度を持つが、4回ひねりの初完遂者は白井だけであるため技名にも彼の姓が冠されている。白井の革新的な技術は日本体操の難度向上に大きく貢献した。
Q2 : FIG採点規則で着地後のステップが0.3点の減点となる典型的なケースはどれか。
Eスコアの減点表では肩幅以上の大きなステップや跳躍が0.3の中減点と規定されている。小さな足寄せやつま先の微動は0.1に留まるが、足幅が明確に広がる歩幅や大きく体重移動を伴うステップは0.3となり演技の印象にも影響する。手を床に付く、尻もち、転倒は0.5〜1.0点の重減点であり区別される。片足がラインオーバーで床外に出る場合は0.1または0.3に加えてライン違反の追加減点が生じる。したがって肩幅以上の大きな一歩が0.3減点の代表的な例となる。
Q3 : 男子体操競技の個人総合で演技する6種目に含まれないものを選びなさい。
男子の六種目は床運動、跳馬、平行棒、鉄棒、あん馬、つり輪である。段違い平行棒はバーの高さが異なる二本を用いる女子専用の種目で、男子の平行棒とは器具構造も技体系も別物として扱われる。したがって男子個人総合を構成する6種目には含まれず、もし段違い平行棒を演技しても得点は付かない。ルールブックやオリンピック競技一覧にも男子の欄には段違い平行棒は登場しないため、この選択肢が正解となる。
Q4 : 2004年アテネ五輪で28年ぶりに日本男子が団体総合金メダルを獲得したが、その代表メンバーではなかった選手を選びなさい。
アテネ五輪男子団体の登録メンバー6人は冨田洋之、鹿島丈博、米田功、水鳥寿思、中野大輔、塚原直也である。内村航平が五輪に初出場したのは2008年北京大会で、2004年当時はまだ高校生だった。したがって提示された4名のうちアテネ代表ではないのは内村航平だけで、ほかの3人はいずれも実際に団体決勝に出場し金メダルに貢献した選手である。
Q5 : 2022〜2024男子体操コード・オブ・ポイントで、技の難度を示す記号として現在最も高いランクはどれか。
FIGコードオブポイントでは難度価値をアルファベットで示し、Aが0.1点、Bが0.2点というように1文字上がるごとに0.1点加算される。2017改訂でI難度まで登録されていたが、2022年版で超高難度の技が認定されたことによりJ難度(0.9点)が新設され、現行ではJが最高難度となった。GやHも非常に高いが、アルファベット順でJを超える記号はまだ存在しないため、最も高いのはJである。
Q6 : 『ドラグレスク』と呼ばれる大技が行われる器具を選びなさい。
ドラグレスクは前転跳び系の助走から前方宙返り2回半ひねりを行う跳馬の大技で、ルーマニアのマリアン・ドラグレスクが1999年世界選手権で成功させたことから命名された。前方系は手で跳馬を突く時間が短く空中姿勢に入るのが早いため、十分な踏切速度と空間認識力が不可欠でH難度に分類される。鉄棒や平行棒、あん馬には同名技が存在しないので、体操ファンの間でドラグレスクと言えば跳馬を指すのが通例となっている。
Q7 : 体操競技で女子のみが演技する種目は次のうちどれか。
平均台は幅10センチ、長さ5メートル、高さ125センチの細い器具の上で演技する女子体操特有の種目である。男子競技にはこの器具はなく、歴史的にも採用例は一度もない。女子の4種目は段違い平行棒、平均台、跳馬、床運動で、男子と共通に見える床運動や跳馬も器具仕様が異なる。FIGルール上、男子が平均台を演技しても得点は付与されず公式記録にも残らないため、女子のみが行う種目は平均台である。
Q8 : 男子体操競技のDスコアは、演技中に申告された技のうち何個分の難度を合計して算出されるか。
FIG男子コードでは難度得点(Dスコア)は演技中に行われた難度価値の高い10個の要素を合計し、接続ボーナスと要求グループ加点を足して算出する。11個目以降の技は難度には含まれず、実施すれば実施減点だけが追加されるため構成を10個前後に抑えるのが標準戦略となる。女子では上位8個だが男子は10個である点が違いで、演技の効率とリスク管理を考慮しながら10個の技にどれだけ高難度を詰め込むかが勝敗を分ける重要な要素となる。
Q9 : 体操競技において、跳馬の助走路(踏切板前端まで)の最大長は何メートルと規定されているか。
FIGの器具規定では跳馬の助走路は最大25メートルと定められている。計測は踏切板前端を起点とし、踏切板と跳馬台前端の距離1.25メートルは固定値であるため、選手が全力疾走できる距離は実質23メートル強になる。助走を短くするのは自由だが25メートルを超える配置は安全上認められず、世界選手権から国内大会まで同じ基準が適用される。助走距離が統一されていることで会場間の公平性が担保され、跳馬の演技評価の一貫性も保たれている。
Q10 : 男子体操の床運動では女子と異なり音楽を流して演技することが認められていない。この規定に関する説明として正しいものを選びなさい。
男子の床運動はFIG競技規則で音楽の使用が禁止されている。女子は音楽が必須だが男子は拍手や歓声を除き無音が原則で、演技中に音源が流れると曲の種類を問わず形式違反として0.5点以上の減点が科される。音楽を使わずにアクロバットや力技の純粋性を示すことが男子床運動の伝統であり、世界選手権や五輪でも例外はない。このため男子選手は体内でリズムを刻み70秒以内に演技を収めるなど時間管理にも独自の工夫をしている。
まとめ
いかがでしたか? 今回は体操クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は体操クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。