日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には利子が付く「第二種奨学金」と付かない「第一種奨学金」がある。この利子の有無が両者の最も大きな違いとなっている。本クイズでは、奨学金制度の仕組みを理解し、利子の有無が及ぼす影響を深く掘り下げていく。奨学金申請や返還をご検討の方は、この違いを正しく把握することが重要である。10問のクイズを通じて、奨学金制度の中核をなす利子の有無について、実践的な知識を習得できるはずだ。
Q1 : 大学学部で自宅外通学の場合、第二種奨学金で選択できる月額の上限(2023年度基準)はいくらか?
第二種奨学金は自宅・自宅外、公立・私立などの属性によって月額上限が異なる。私立大学の自宅外通学が最も高く、2023年度基準で月額12万円を選択できる。自宅通学の場合は11万円、公立大はさらに低い。月途中でも年度単位で増額や減額申請が可能だが、上限を超えて借りることはできない。生活費や家賃がかさむ自宅外学生を手厚く支援するための設定であり、利子負担を踏まえて慎重に額を選定することが推奨される。
Q2 : 第二種奨学金を卒業後に一括繰上返還した場合の利息に関する正しい説明はどれか?
第二種奨学金では繰上返還を行う際、返還予定残期間に相当する未経過利息は支払う必要がない。運用上は返還申込月までの利息を日割りで計算し、そこまでの元金と利息を納付すれば残りの期間について予定されていた利息は課されない。したがって早期に一括返済すれば、その分の利息負担を軽減できる。利息全額が免除されるわけではないが、返還完了後に将来利息が発生することはないため、余裕資金がある場合は繰上返還がコスト削減策として有効となる。
Q3 : 第一種奨学金が第二種よりも厳しく設定されている採用基準はどれか?
第一種は無利子であるため、国の財源負担が大きく、限られた学生に配分する目的で学力・家計の基準が第二種より高く設定されている。高校評定平均がおおむね3.5以上であること、家計支持者の所得が一定水準以下であることが不可欠だが、第二種は評定平均3.0程度でも採用され、所得上限も高めに設定されている。保証方式や猶予制度については両種とも同様に用意されているが、学力と家計条件の差が最も顕著である。
Q4 : 利子付き奨学金(第二種)の返還が通常開始される時期は?
JASSOの奨学金は貸与終了(多くは卒業月)の翌月から7か月間が据置期間とされ、この間は返還義務がない。したがって通常は卒業後7か月目から口座振替が始まる。例えば3月卒業なら10月が第1回返還月となる。在学中は利息が実際には発生せず、卒業時にまとめて算出され返還元金に加算される。就職の有無には関係なくスケジュールは固定されており、据置期間を過ぎれば自動的に返還が始まる。
Q5 : 第二種奨学金の利息はどの方法で計算されるか?
JASSOの第二種奨学金は利息を単利で計算する。つまり、借入残高(元金)に対して利率を掛けて算出した利息を返還額に上乗せするだけで、利息そのものに再度利息が付く複利計算は採用していない。利息は在学中は発生せず、貸与終了時に全期間についてまとめて算出され、その後の返還期間にわたって均等に支払う。複利であれば返還総額が大きく膨らむが、単利方式のため教育ローンなどの複利商品よりは負担が抑えられる。
Q6 : 第二種奨学金の利率には法律上の上限が定められている。その上限は何%か?
学生支援機構法(旧日本育英会法)の規定により、第二種奨学金の適用利率は年3%を上限としている。この上限は市中金利が急上昇しても3%を超えない安全弁として機能し、過去の高金利期であっても超過した例はない。実際に適用される利率は市場金利に連動して変動するか、もしくは固定方式を選んで確定させるが、いずれの場合も3%を超えることはない。これにより民間教育ローンより低リスクで借りられる点が制度の特色となっている。
Q7 : 第一種奨学金の在学採用時に提出が不要な書類はどれか?
第一種は無利子であるため利率を選択する必要がなく、「利率方式選択届」は不要である。一方、成績証明書や所得証明書は第一種でも厳格に審査されるため提出必須となる。また、多くの場合連帯保証人か機関保証の選択が求められ、承諾書類も必要である。利率方式選択届は第二種で固定・見直しのどちらかを選ぶための書類であり、第一種の申請パッケージには含まれない。この違いは利子の有無が直接的に書類要件に反映された好例である。
Q8 : 第一種奨学金の高校評定平均に関する基準として正しいものはどれか?
第一種奨学金の予約採用では、原則として高校3年終了時の評定平均値が5段階で3.5以上であることが求められる。これは学術的に一定以上の成績を収めている学生に無利子貸与の恩恵を与えるという制度趣旨から設定されている数字で、学力基準が緩やかな第二種(3.0程度)との差が際立つ。評定平均は主要5科目のみならず全科目で計算される場合が多く、入学後に成績が大幅に下がると継続不可となる可能性もあるため注意が必要である。
Q9 : 日本学生支援機構の第一種奨学金と第二種奨学金の最大の制度上の違いは何か?
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は大きく第一種(無利子)と第二種(有利子)に分かれている。第一種は借入額に対して利息が一切付かないため、返還総額は元本と同額になる。一方、第二種は利息が発生し、利率固定方式か利率見直し方式を選ぶ形になっている。この点が両者を最も特徴づける違いであり、その他の返還期間や保証制度などは大枠で共通しているが、利息負担の有無は卒業後の家計に大きく影響するため最重要ポイントといえる。
Q10 : 第二種奨学金の利率について正しい説明はどれか?
第二種奨学金では、貸与終了時に「利率固定方式」を選ぶとその時点で利率が確定し、返還期間中に変動しない。一方「利率見直し方式」を選ぶと、年2回(4月・10月)に市場金利を反映して見直される。借用者は申込時にいずれかを選択でき、途中変更は原則不可。上限は3%と法律で定められているが、常に固定3%というわけでもなく、一律1%でもない。よって選択制であるとの説明が正しい。
まとめ
いかがでしたか? 今回は奨学金の利子ありと利子なしの違いクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は奨学金の利子ありと利子なしの違いクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。