リスク管理における「リスクアセスメント」とは、企業や組織におけるリスクマネジメントプロセスの一つであり、起こりうるリスクの特定・分析・評価を通して、発生確率や業績への影響を予測し、適切な対応策を立てることを目的としています。このリスクアセスメントの重要性を踏まえ、本記事ではリスクに関する10の基本的なクイズを紹介します。リスクの管理方法や具体的な事例を通して、皆様のリスク意識の向上に役立てていただければ幸いです。
Q1 : リスクマトリクスで高リスク領域に分類されるのは通常どのようなものか?
リスクマトリクスでは「発生確率」と「影響度」の2軸でリスクを評価します。発生確率が高く、被害の影響も大きいリスクが最も危険とされ、優先的に管理・対策が必要な“高リスク”領域に分類されます。対策コストや効果を考慮し、重要度に応じたリソース投入を判断します。
Q2 : 日本の個人情報保護法に基づき企業が取るべきリスク低減措置として適切でないものは?
個人情報保護法では、個人情報の漏えいや不正利用を防止するため、適切な管理策(アクセス権限の最小化、保存期間設定、従業員教育など)を講じることが義務づけられています。一方、「無制限のデータ公開」は情報流出のリスクを増大させ、法令違反となり得るため、不適切な措置です。
Q3 : プロジェクトマネジメントにおける『リスクオーナー』の役割は?
リスクオーナーとは、特定のリスクに関する発生監視・対応策の実行について責任を持つ人物や役職を指します。リスクごとにオーナーを明確に割り当てることで、誰が対応責任を持つかを明確にし、対策の実効性を高めることがプロジェクトでは重要です。
Q4 : ERM(エンタープライズリスクマネジメント)とは何か?
ERM(Enterprise Risk Management)は企業経営において、部門横断的・全社的にあらゆるリスクを一元管理するマネジメント手法です。従来の個別的なリスク管理とは異なり、戦略、財務、法務、IT等全領域を包括し、経営戦略と一体となったリスク対策が特徴です。
Q5 : インシデント(事故)発生後に行うべき体系的な活動で最も適切なものはどれか?
インシデント(事故)が発生した際には、単に被害の回復にとどまらず、事故の発生原因を分析し、その原因が再度発生しないような対策(再発防止策)を立て、組織全体に周知・教育等を徹底することが重要です。再発防止のための教訓化がなされなければ、同様の事故が繰り返し起きる危険が高まります。
Q6 : ITシステムのリスク管理で『BCP』とは何の略語か?
BCPは「Business Continuity Plan」の略で、日本語では『事業継続計画』と訳されます。自然災害やシステム障害、事故などの緊急事態が発生した場合に、重要な業務機能を中断することなく、または速やかに復旧させるための計画です。ITシステム分野では、バックアップやシステムの二重化も含みます。
Q7 : 企業が法規制違反などによる高額な罰金を避けるために行うリスク対応策は何というか?
企業が重大な損害を被るおそれのあるリスク(法規制違反、大規模事故など)について、そのリスクが発生する行動や事業自体をやめたり変更したりして、リスクそのものをなくしてしまうことを「リスク回避」といいます。罰金リスクを避けるため事前に仕組みを変えるのが代表的な例です。
Q8 : リスク評価の際に利用される『ヒートマップ』で縦軸と横軸に対応するものとして正しい組み合わせはどれか?
リスクのヒートマップは、縦軸にリスクの『影響度(被害の大きさ)』、横軸に『発生確率』をとり、リスクごとにマトリックス上に配置することで、どのリスクが優先して対策すべきかを視覚的に判断できる手法です。色分け等を駆使して、一目で高リスク・低リスクが識別できるのが特徴です。
Q9 : リスク移転の典型例は次のうちどれか?
リスク移転とは、自らの責任としてリスクを持つのではなく、外部へそのリスクを移すことを指します。保険への加入は、事故や災害などで被害が発生した場合に損害が保険会社により補償されるため、典型的なリスク移転の手段となります。これにより企業等は損失リスクの大部分を外部化することが可能になります。
Q10 : リスク管理における「リスクアセスメント」の主な目的はどれか?
リスクアセスメントは、企業や組織におけるリスクマネジメントプロセスの一つであり、起こりうるリスクの特定・分析・評価を通して、発生確率や業績への影響を予測し、適切な対応策を立てることを目的としています。単に危険を洗い出すだけでなく、リスクが実際に発生する可能性や影響度まで評価し、優先順位を付けることが重要です。
まとめ
いかがでしたか? 今回はリスクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はリスクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。