免疫システムは私たちの健康と命を守る、きわめて重要な生体防御機構です。本記事では、免疫に関する10の基礎的なクイズを通じて、ヒトの免疫システムの仕組みや特徴を楽しく学んでいただきます。抗体産生、アレルギー反応、自己免疫疾患、ウイルス感染への対応など、免疫学の中核的なトピックスについて、簡潔に問題を解説します。免疫システムの神秘に迫り、自分の体をより深く理解する良い機会となれば幸いです。
Q1 : ウイルス感染細胞の排除に直接関与する細胞はどれか?
ウイルス感染細胞や異常細胞を直接排除するのはキラーT細胞(細胞障害性T細胞、CD8陽性T細胞)です。感染細胞を識別して細胞死を誘導し、ウイルスの拡散を抑える重要な役割を果たします。
Q2 : 獲得免疫の特徴として正しいものはどれか?
獲得免疫は抗原特異性と免疫記憶が特徴です。一度認識した抗原に再び出会うと、より速く強力な応答(記憶反応)が可能です。これがワクチンの効果の理論的根拠にもなっています。
Q3 : ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は主にどの細胞を標的として感染するか?
HIVはCD4分子を持つT細胞(いわゆるヘルパーT細胞)に感染します。これが進行すると免疫力が著しく低下し、エイズ(AIDS)になります。CD4陽性T細胞は免疫応答の中心的な役割を担っています。
Q4 : 樹状細胞が主に担っている免疫の役割はどれか?
樹状細胞は、抗原を取り込んで処理し、その情報をT細胞に提示して免疫応答の導入を担う、抗原提示細胞(APC)の代表です。特に獲得免疫の開始・指令に極めて重要な働きをしています。
Q5 : 自己免疫疾患の1つである全身性エリテマトーデス(SLE)に特徴的な抗体はどれか?
全身性エリテマトーデス(SLE)では、特異的に抗DNA抗体(特に二本鎖DNA抗体)が検出されることが多く、この抗体は疾患活動性の指標にもなります。その他の自己抗体も観察されますが、診断上、抗DNA抗体は重要です。
Q6 : 補体カスケード経路のうち、抗体が関与する経路はどれか?
補体カスケードの古典経路は、抗体(主にIgGやIgM)が抗原と結合した複合体に補体C1が結合することで始まります。これにより一連の補体活性化が起こり、細胞溶解や炎症反応が誘導されます。
Q7 : 自己免疫疾患の原因となる主な免疫の異常はどれか?
自己免疫疾患では、自己抗原に対する免疫寛容が破綻し、自分自身の細胞や組織を攻撃する免疫反応が生じます。免疫寛容が正常に働いていれば、通常は自己への免疫攻撃は抑えられますが、その機構が壊れると疾患が発生します。
Q8 : 生ワクチンに分類されるものはどれか?
生ワクチンは、弱毒化された生きた病原体を使用して免疫をつけるワクチンです。BCG(結核予防)や麻疹、風疹ワクチンなどが代表的です。不活化ワクチンやトキソイドは死んだ病原体や毒素の成分を使います。
Q9 : アナフィラキシー反応の主な原因となる抗体クラスはどれか?
アナフィラキシー反応(即時型アレルギー)は主にIgE抗体が関与します。IgE抗体はアレルゲンと結合し、肥満細胞や好塩基球を刺激してヒスタミンなどの化学物質を放出し、強いアレルギー症状(呼吸困難、血圧低下など)を引き起こします。
Q10 : ヒトの体内で抗体を産生する免疫細胞はどれか?
抗体(免疫グロブリン)は、B細胞が分化した形である形質細胞によって産生されます。B細胞は抗原を認識し、活性化されると抗体を作り出し、体内の異物と結合して排除します。T細胞は細胞性免疫を担うものであり、直接抗体を産生することはありません。
まとめ
いかがでしたか? 今回は免疫クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は免疫クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。